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2016年01月29日

マクドナルドがチョコポテトや新バーガー名称公募の新機軸。がんばるワケは?

外食

マックポテトにチョコかけて 期間限定で発売へ(2016年1月21日朝日新聞朝刊)

 日本マクドナルドは、人気のマックフライポテトにチョコレートをかけて食べる「マックチョコポテト」を2月中旬までの限定で販売する。別添のチョコレートソースをかけることで、ポテトのしょっぱさとチョコの甘さを同時に楽しめる。税込み330円。

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 この新商品、ネット上では味をめぐって賛否両論。ですが、評判になっているのは確かです。日本マクドナルドはホームページで「ホワイトとブラウンの2色のチョコソースをかけた、幅広い年代の皆様に召し上がっていただける新しい楽しみ方です」とうたっています。この記事の少し後に、同じ経済面に「マクドナルド、新バーガーを公募 賞金は10年分」(1月26日朝刊)という記事が載りました。2月に売り出す新バーガーの名前を公募するというのです。仮称は「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醬油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー」とのこと。名称公募はマクドナルド初の試みで、採用された人には、このバーガー10年分相当の賞金約140万円を贈るといいます。「賞金バーガー10年分!」というのがキャッチ-です。

 日米両国で業績不振のマクドナルドですが、とくに日本マクドナルドホールディングス(HD)は期限切れ鶏肉の使用や異物混入騒ぎで、客離れが進んでしまいました。このところマックがつぎつぎ新機軸を打ち出す記事に「がんばっているな」と、思ったファンも多いのではないでしょうか。昨年10月末に新発売した200円バーガーやグラタンコロッケバーガーは好調だそうで、「日本マクドナルドの2015年12月の既存店売上高は、前年を8.0%上回った。前年を5%上回るのは45カ月ぶり」(「マクドナルド売上高8%増」朝日新聞2016年1月9日付朝刊)とも報じられています。

 じつは昨年暮れから日本マクドナルドHDをめぐり、約5割の株を握る米マクドナルドが株を大量に売却し筆頭株主から降りるのではないかと、しきりに報道されていました。朝日新聞2016年1月27日朝刊にはついに「米マック、日本HD株売却検討 進まぬ交渉『初期段階』」という記事が出ました。売却話を持ちかけている先は商社や投資ファンドですが、日本マクドナルド株が「割高」であることが交渉を難しくしていると、この記事は解説しています。そして、マックチョコポテトやバーガー名称公募をあげて、「話題づくりで業績を底上げしようと懸命になっている」と結んでいます。業績不振の企業は“身売り”しようにも、そもそもその企業の価値が高くなければ買い手もつかないのですね。どんな企業にも好不調の波があり、それを切り抜けられるかどうかは、結局いまそこに勤める人たちの努力と工夫しかない。リアルなビジネスの世界とは、そういうものです。

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