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2015年10月30日

通信添削でおなじみ・進研ゼミもiPad でする時代に

教育・生活サービス

進研ゼミ iPad指導拡大/来春 巻き返しに向け刷新(朝日新聞2015年10月28日朝刊)

 教育大手のベネッセホールディングスは、小中高校生向けの通信教育「進研ゼミ」に来年4月から新サービスを導入する。タブレット端末の「iPad」を使い、利用者の習熟度合いに応じて、より丁寧に指導できるようにする。

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 記事によれば、演習問題の難易度を選んだり、間違えた部分に応じて解説をうけたりできるし、これまでの手書きで添削指導をしていた「赤ペン先生」に加え、理解度を分析して助言したり、テスト前に励ましたりする「赤ペンコーチ」も新設するといいます。子どもたちが一人ひとり情報端末=タブレットPCをもっていることが、こんな新しい学習法を生みました。個別の情報がより詳しく瞬時に把握できるし、タブレットPCが相互の発信・受信機能をもっているため、双方向性の勉強が可能になりました。もっとも、iPadは家庭で用意する必要があり、価格も学年によって違いますが月額で約300~1000円高くなるそうです。まだ、だれもが利用できるわけではないのですね。

 国は現在、「2010年代中に子ども1人にタブレットPC1台による教育」の実現を目標に掲げています(2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」など)。どうやらタブレットPCが児童・生徒たち全員に行き渡る時代がもうすぐ到来するようです。この構想に先駆けて、公立小中学校の子どもたち全員にタブレットPCを持たせ、学習を始めた市があります。佐賀県の武雄市です。2014年から今年の2年間に小中合わせて約4700台を公費で配りました。そのための初期投資は2年間で約2億円。人口5万人弱の市としては思い切った投資といえるでしょう。

 さらに、武雄市では、IT企業のディー・エヌ・エーに協力を仰ぎ、一部の小学校ですが、1年生と2年生を対象に自分たちでゲームソフトをつくる「プログラミング教育」を試行しています。ICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)教育の実践では先頭を走っている自治体といってよいでしょう。タブレットPCは、武雄市のようにどんどん教育の現場に取り入れられていくはずです。進研ゼミの“刷新”も、この流れの中にあります。新しいテクノロジーをどうやってビジネスに結びつけるか。みなさんも柔らかいアタマで考えてみてください。そうした思考トレーニングも業界研究になります。

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