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2015年02月24日

住友不動産がマンション発売戸数で初の首位に

建設・不動産・住宅

住友不動産が1位 マンション発売 (2月20日朝日新聞朝刊)

 不動産経済研究所が2月19日発表した2014年のマンション発売戸数ランキングで、住友不動産が6308戸で初めて首位になった。東京湾岸で大規模なタワーマンションを売り出した。前年首位の三井不動産レジデンシャルは4位。

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 「逆境に強い」と感じさせるあたりが、いかにも住友らしいですね。2014年の全国マンション販売数は前年と比べて21%も減少する厳しい状況でしたが、この中でトップに立ったのが住友不動産でした。
 マンション販売の業界は、旧財閥系の3社に野村不動産を加えた「4強」が、激しくしのぎを削るという構造が続いてきました。財閥系は「組織の三菱、人の三井」という言葉がありますが、住友には「結束の」という枕詞がつきます。
 東京を発祥の地とする三菱と三井に対して、住友の出発点は関西。だからでしょうか、「大阪商人の伝統の粘り強さがある」「もっとも体育会系」などとも評されます。消費増税などの逆風を受けながら、持ち前の「結束力」「粘り強さ」が発揮されたのでしょう。

 ちなみに、4強の順位はここ数年、入れ替わりが続いていました。住友不動産が首位になったのは今回が初めてですが、前年トップの三井不動産も初めて。その前の2012年は、野村不動産が1位でした。
 このように見ていくと、業界の競争の激しさが想像できますね。ただ、2015年は販売個数が回復に向かい、14年比では8%増となる見通しです。金利の低下による住宅ローンの借りやすさや、贈与税の非課税枠の拡大などが追い風となりそうです。

 ちなみに、マンションを価格面で見ると、全国平均は4306万円で、前年比で3.2%アップしました。円安による輸入資材や燃料費の値上がりなどが背景にあるのでしょう。
 また、地域別に見ると、首都圏の販売数が全体の54%に達しています。
「大手企業中心の一極集中型市場」
 これがマンション販売業界の特徴です。

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