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2015年02月17日

ゲーセンで電子マネー対応、真の狙いは?

外食

「ゲーセン」、電子マネーOK (2月14日朝日新聞朝刊)

 タイトーやセガが、ゲームセンターに置くゲーム機での支払いに、電子マネーを使えるようにする。100円未満の価格も設定できるようにして、店ごとに上げ下げしやすくする。

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 50円玉や100円玉を握りしめて遊んでいたゲームセンターで、電子マネーが使えるようになるそうです。何枚もの小銭を準備したり、両替機を往復したりせずにすむなら、便利ですね。
 導入の背景には、消費税の値上げもあります。ゲーム料金のこまかい設定なども、電子マネーのほうが便利だそうです。
 でも、このような「キャッシュレス」の点だけが、電子マネー導入の狙いでしょうか。記事をよく読むと、もっと別の視点がすけて見えます。

 朝日新聞デジタル版の記事には、こうあります。
「遊ぶごとにたまり、ゲーム内のアイテムやグッズ交換などに使える『ポイント』制度も始める」
 どうですか。むしろこっちの機能にこそ、より大きな可能性を感じませんか。

 電子マネーには、お金をチャージしたり支払ったりするだけでなく、データを保存したり呼び出したりできる仕組みがあります。これを応用すれば、データをセーブしてゲームセンターでは難しかった長時間のゲームをやることが可能になりそうです。

 また、このゲームデータの保存先は手元の電子マネー用カードではなく、ゲーム会社などのサーバー側にあります。つまり、ゲームデータのネットワーク対応が可能なのです。PCやスマートフォンで人気の「ソーシャルゲーム」が、ゲームセンターでさらに大きく展開するかも知れません。

 コナミはすでに5年前から、こうした電子マネーを導入してきましたが、自前のゲームセンターがありせんでした。そこで今夏から、ゲームセンター運営会社などにシステムを売り込み、他社製のゲーム機でも電子マネーを使えるよう開放していくそうです。

 さまざまな製品で「ネットワーク対応」の重要性が増しています。ゲームセンターも同じでしょう。振り返れば、以前にもこのネットワーク対応が遅れたため業績が悪化したゲーム会社がありました。

 ここ数年、ゲームセンターの入場者数や売り上げは低迷が続いています。電子マネーの導入が、新しい流れを生むかも知れません。

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