業界MAP

介護・福祉サービス

業界の仕組み

拡大続ける9兆円市場

ill_kaigo.gif 介護・福祉サービスは高齢化に伴い、市場が今後も安定して拡大するまれな業界だ。2014年度には9兆5783億円(自己負担分含む)に拡大した。厚生労働省によると、介護保険サービスを利用するのに必要な「要介護・要支援認定」を受けた人は606万人と初めて600万人を超えた。団塊世代が75歳を迎える25年には、75歳以上の人口が2179万人と、全人口の2割近くを占める見込みだ。

 しかし、介護職員数は年々増えているものの、増加する需要に追いついていない。厚生労働省は、高齢化がピークを迎える2025年度には介護サービスを受ける人が現在より約170万人増え、介護職員が約38万人不足する恐れがあるとの推計を公表した。いまのままでは介護サービスの需要増加に供給が追いつかないという。厚労省は参入促進や労働環境・処遇の改善といった対策を強化し、人材確保していくとしている。

医療機関との連携がカギ

 介護・福祉サービスのビジネスには大きく分けて二つある。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を展開する事業者と、訪問介護や通所介護(デイサービス)を中心とする事業者だ。

 前者は、施設を建設して運営し、介護保険に基づく介護サービス収入や賃料、利用料が収入となる。SOMPOケアメッセージのほか、他業界から参入したベネッセホールディングスなどが知られる。後者は、利用者の自宅訪問や日帰りのデイサービスセンターで介護やリハビリのサービスを手がけ、介護保険収入が収入の柱だ。こちらは、ツクイやセントケア・ホールディング、ユニマットそよ風などが展開している。

 業界最大手のニチイ学館は訪問介護やデイサービスに、有料老人ホーム事業も手がけ、総合的に介護サービスを展開している。

 今後は、医療機関との連携態勢を構築できるかどうかが成長のカギとなりそうだ。

最新トピックス

介護ロボ導入に補助 施設の人手不足補う

 政府は介護施設が高額な介護用ロボットを導入する際にかかる費用への補助を始めた。2015年度補正予算案に52億円を計上した。施設への介護ロボット導入を促すことで介護に従事する人の負担を軽くし、介護分野の人手不足の緩和につなげる狙いがある。

 「移乗介助(介助者による抱え上げなど)」「移動支援」「排泄(はいせつ)支援」「認知症の見守り」「入浴支援」の5分野の介護ロボットや機器を導入する際の費用を補助する。介護ロボットの開発は相次ぐが、例えば入浴介助型が約200万円、介護する人の腰の負担軽減向けは約60万円など高額だ。リース料が月10万円を超えるものもあって施設側には負担が重い。お年寄りをベッドから車いすに移すなど重労働が多く、介護職の多くが腰痛を抱えるなど、労働環境の改善も課題となっている。

介護大手を買収、保険と両輪に 損保ジャパン日本興亜

 損保ジャパン日本興亜ホールディングス(2016年10月に「SOMPOホールディングス」に社名変更予定)は、介護事業で業界3位のメッセージ(本社・岡山市)を子会社化した。高齢化による市場の成長を見込み、介護事業を損害保険や生命保険と並ぶ事業の柱とする考えだ。

 株式の公開買い付けで、子会社化し、メッセージは2016年7月に「SOMPOケアメッセージ」と社名変更した。損保ジャパン日本興亜は、居酒屋大手ワタミから子会社のワタミの介護を15年12月に買収し、「SOMPOケアネクスト」と改めた。同社とSOMPOケアメッセージを合わせた売上高は1143億円となり、業界2位になる。

採用の傾向

求められる主な資格

・介護福祉士(ケアワーカー)
 「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格。心身の障害によって、日常生活に支障がある人に対し、状況に応じた介護を行う。また、家族や介護者への指導・助言もする。介護の知識と技術を兼ね備えた専門家。

・社会福祉士 (ソーシャルワーカー)
 これも「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格。身体・精神的障害だけでなく、環境上の理由で生活に支障がある人(及び家族)からの、福祉相談にも応じる。医者や医療サービスとの連携・調整役も果たす。

・介護支援専門員 (ケアマネージャー)
 2000年に導入された介護保険制度によって誕生した公的資格。要介護者からの相談に応じ、心身の状態に応じた適切な介護サービスが受けられるよう、自治体や介護施設との連絡調整役をする。また、要介護者が自立した生活が送れるよう援助する。

・訪問介護員(ホームヘルパー)
 高齢者や障害者の家庭を訪問し、日常生活全般をサポートする資格。介護サービス(食事・入浴・排泄など)、家事援助サービス(調理・洗濯・掃除・買物など)に加え、家族の相談にも応じる。

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績〈総合職〉)
ニチイ学館/ 150(102)、セントケア・ホールディング/ 36~40(47)