業界MAP

人材サービス・コンサルティング

業界の仕組み

派遣見直し、人材不足で追い風

ill_jinzai.gif 人材サービスは、派遣・請負と職業紹介の二つに大きく分けられる。景気回復に伴い、IT関連や製造業、建設業を中心に人材の不足感が出ており、業界は活況となっている。このため、人材の獲得競争も激化している。

 矢野経済研究所によると、2014年度の人材派遣市場は前年度比5.0%増の3兆7701億円、人材紹介業市場は18.6%増の1850億円。

 派遣系の主要企業はテンプホールディングス、パソナグループなどだ。

 2015年には改正労働者派遣法が施行され、企業が派遣労働者を受け入れる期間の上限(最長3年)が撤廃された。企業は人をかえれば同じ職場でずっと派遣を受け入れることができるようになり、業界には追い風となった。

コンサル、「デジタル変革」支援を中心に活発な需要

 調査会社IDCジャパンによると、ビジネスコンサルティングとITコンサルティングからなる国内コンサルティングサービス市場の規模は前年比6.3%増の6463億円。2015年~20年の年間平均成長率3.8%で拡大、20年には7773億円になるとみている。

 このうち、経営戦略の策定や業務改善、組織・人事の改革分野で提供される国内ビジネスコンサルティング市場は前年比8.1%増の3373億円と、大幅に成長しているとみている。ビッグデータやクラウドなど「デジタル変革」に向けた需要が高まっているという。

 コンサル業界は、外資系のアクセンチュアやIBM、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどのほか、国内シンクタンク系の野村総合研究所や三菱総合研究所などが主な企業。

ビッグデータ活用提案、コンサル業の成長握る

 情報技術(IT)の発達で収集が進む大量の電子データ。「ビッグデータ」と呼ばれ、多くの企業が活用している。IDCジャパンによれば、2015年の国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場は、前年比32.3%増の高い成長率を記録し、市場規模は947億円。20年に2889億円となり、15年~20年の年間平均成長率は25.0%になると予測している。

 コンサルティング業界にとっては、ビッグデータの活用提案をいかにうまくできるかが勝負のカギと言えるだろう。

最新トピックス

派遣大手テンプがM&Aや海外展開で攻勢

 人材派遣大手のテンプホールディングスがM&A(企業合併・買収)や海外展開で攻勢をかけている。2013年には、「DODA(デューダ)」など転職支援に強い同業のインテリジェンスホールディングスを買収。15年には、パナソニックから同社の完全子会社で業界6位のパナソニックエクセルスタッフを買収した。テンプはさらに16年4月に、米ケリーサービスと手がける合弁事業をシンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどアジア・太平洋の12の国・地域へ拡大すると発表した。

IBMが「ワトソン」を使った専門のコンサル組織

 米IBMは、「ワトソン」などコグニティブ(認知型)・テクノロジーを活用したコンサルティングを手がける専門組織を業界で初めて立ち上げると発表した。

 専門組織には、機械学習や高度解析技術、データ・サイエンスなどの専門コンサルタント2000人以上を結集させる。

 IBMのワトソンは2011年、人間のクイズ王に圧勝して一躍脚光を浴びた。IBMは、ワトソンについて、「人工知能(AI)とは異なり、自然言語を理解・学習して、人の意思決定を支援するコグニティブ・コンピューティング・システム」と説明している。

採用の傾向

人材サービス業界の主な採用職種

 「コーディネーター」「営業」「キャリアアドバイザー」「リクルーティングアドバイザー」など。

コンサルティング業界の主な採用職種

 「アソシエイト(リサーチ)」「コンサルタント(問題解決)」「マネジャー(管理)」「パートナー(営業・経理)」など。
※入社後はアソシエイトからスタートし、キャリアアップしていくことが多い。

資格より実力が物を言うコンサルティング業界

 コンサルティング業界で最強の資格はMBA(経営学修士)だろう。ただ、通常2年の学習期間と多額の費用がかかるうえ、取得は容易ではない。ほかにも税理士・公認会計士・中小企業診断士など、いわゆる「士業」資格も持っていると有利だ。

 しかし、コンサルティング業界は、何より実力と達成した成果で評価される世界。資格の有無にこだわり過ぎる必要はないし、資格自体も自分が希望する会社とマッチしないものなら無意味だ。

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
野村総合研究所グループ/ 300(279)、パソナグループ/ 230(230)