業界MAP

外食

業界の仕組み

業態ごとに明暗

ill_gaisyoku.gif 外食企業でつくる日本フードサービス協会は、2015年全業態トータルの売り上げを24兆3686億円と推計する。前年より1.5%増した。消費増税の影響はあったが、1人当たりの外食支出、訪日外国人客、法人交際費がそれぞれ増加している。長期的には少子高齢化による市場縮小傾向は変わらない。「日本食」をひっさげ海外展開をはかる企業も増えている。

 ファミリーレストランが売上高、客数、客単価、店舗数ともに4年連続で伸び、業界を引っ張る。中でも客単価の高い焼き肉店が好調だった。一方、ファストフードは前年に続き売上高、客数、店舗数を下げたが、メニューの値上げで客単価のみ3.2%伸ばした。ファミレス最大手すかいらーく2015年12月期末の売上高は前年同期比率3.3%増の3511億円、純利益は59.5%増の151億円だった。これに対し日本マクドナルドHDの同期の売上高は14.4%減の3820億円。純損益380億円の赤字だったが、16年6月中間決算で4700万円の営業黒字になった。黒字は2年ぶりだ。

牛丼300円台、脱デフレ

 牛丼チェーン最大手の「すき家」を運営するゼンショーHDの2016年3月期の営業利益は121億円で、前年の5倍近く増えた。14年から15年にかけて、円安で輸入原料が高騰し牛丼の値上げが続き、各牛丼チェーンの牛丼は並で350円~ 380円になった。人手不足が深刻で、パート、アルバイトの時給を賃上げしたことも大きい。中でも「すき家」は「ワンオペ」と呼ばれる従業員1人での深夜営業が批判され、深夜営業を中止していたが、人員確保が進み8割の店で再開できた。肉の質を高めた「プレミアム牛めし」がヒットした松屋フーズは同期3%の営業増益。𠮷野家HDは同期減益だったが、好評の復刻「豚丼」や夜間のみ居酒屋メニューを提供する「𠮷呑み」などで巻き返しを図る。

最新トピックス

ラーメン、カレー、うどん・・・「日本の味」海外進出

 「味千ラーメン」(本店・熊本市)は白濁の豚骨スープの九州ラーメン。2016年5月、13カ国目の進出になるモンゴル1号店を開店した。90年代からアジアに進出し、国内約100店に対し、海外は中国を中心に700もの店を展開する。海外では看板の味千ラーメンのほかに焼き鳥や焼き魚、てんぷら、担々麺など、現地の人たちの好みに合わせたメニューを提供している。博多の豚骨ラーメン「一風堂」も08年、ニューヨークに初出店して米国のラーメンブームの火付け役になった。16年2月には、パリのサンジェルマンに出店するなど12の国と地域に支店を持つ。カレーチェーンのCoCo壱番屋(愛知県一宮市)、セルフ式讃岐うどんの丸亀製麺、モスバーガー、𠮷野家など海外出店に積極的な外食チェーンは少なくない。

みそカツ「矢場とん」大阪進出、名古屋めしブーム

 名古屋市が本拠のみそカツの老舗「矢場とん」が2016年6月、大阪・道頓堀に開店した。「矢場とん」は愛知、三重両県に15店、東京・銀座や福岡、タイ、台湾にもあるが、初の大阪進出。豚ヒレスジ肉で出汁を取った赤味噌ベースの味噌だれが特徴だが、大阪ではお好み焼きやたこ焼きにかける酸味の利いたソースが主流で、名古屋の味が受け入れられるかとの声もあった。煮込みうどんや手羽先、あんかけスパゲッティー、小倉トーストなど、名古屋から発信される「名古屋めし」への関心が高まっている。

ロカボが流行

 減量に効果的とされるロカボ(糖質制限)をメニューに採り入れる飲食店が増えている。ファミレスのガストは2016年6月から、冷やしサラダタンタン麺と1日分の野菜ベジ塩タンタン麺に0糖質麺を採用、糖質控えめデザートも加えた。成城石井が首都圏で4店運営するワインバルでも糖質量を表記したメニューでロカボに対応している。

採用の傾向

外食業界の主な採用職種

 「店舗開発」「商品開発(店舗で出す商品の開発)」「製品開発(店舗で出している商品を小売店向けの商品として開発)」「店舗スタッフ」「調理スタッフ」「バイヤー(食材や店舗器具などの購買)」「販売促進」など。

将来有利になる資格

 外食産業で働く際、資格取得は必ずしも必須ではないが、レストランなどで将来店長となる際などには持っていた方が有利なものもある。いくつか例を挙げると、「レストランサービス技能検定」(ホテルやレストランで配膳などを行う際のサービススキルを認定する国家資格)、「フードアナリスト検定試験」(食品・食材を分析評価する知識と教養を身につけた、食・食空間を分析評価する専門家を認定する)、「フードコーディネーター資格」(商品開発・レストランプロデュースなど、食全般をコーディネートする専門家を認定する)など。

海外向けの視点を持つ

 2013年12月に和食がユネスコの無形文化遺産に登録された。海外ではすし・天ぷらのような伝統的な食事だけでなく、ラーメンも「日本食」として人気だ。国内市場が縮む中、外食チェーンはどこも海外に目を向ける。志望する会社が海外でアピールするにはどうすべきか、という自分なりの視点を持つのも重要。

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は16年度実績)
日本マクドナルド / 未定(25)、すかいらーく/ 140(110)、吉野家/40名程度(26)