業界MAP

流通

業界の仕組み

コンビニ大手の売り上げ初の10兆円超え

ill_ryutsu.gif 日本フランチャイズチェーン協会加盟のコンビニ大手10社の2015年売上高は、10兆1927億円で初めて10兆円を超えた。同年年末の店舗数は前年比5%増の約5万3544店で、こちらも過去最高だった。近年、頭打ちだった既存店の売り上げも微増した。業界はセブン‒イレブン、ローソン、ファミリーマートのトップ3で全店舗の7割を占める。様々な知恵を絞り、他業種からも客を奪っているのが特徴だ。

 セブンが年間7億杯を売り上げる「入れたてコーヒー」は明らかにファストフードを意識した商品で大手コンビニが追随した。さらにコーヒーに添える菓子として各社のドーナツ新商品がぞくぞく登場し、ローソンやファミマの新店舗はイートインコーナーを設けている。プライベートブランド(PB)の充実も近年の大きな動き。総菜や野菜の品ぞろえを拡充したり、ビールや飲料メーカーとのコラボ企画をしたりして、女性やシニア層に訴え、他社と商品の差別化をはかり顧客を囲い込む。セブンのPB商品シリーズ「セブンプレミアム」は16年に売上高1兆円を目指す。

百貨店頭打ち、スーパーは好転の兆し?

 日本百貨店協会によると、2015年の売上高は約6兆1742億円で、対前年比0.6%減。4年ぶりに減った。消費税増税後に落ち込んだ売り上げは、中国人旅行客の「爆買い」を中心とした外国人旅行客の売り上げが貢献していたが、16年春から中国の景気後退や関税引き上げなどで鈍化してきた。一方、日本チェーンストア協会加盟の総合スーパー58社の売上高は13兆1682億円、前年比0.3%増と、既存店ベースで19年ぶりに前年を上回った。実質賃金が上昇したことや、単身や共働き家庭の増加で総菜が7.1%増と好調で、野菜や牛肉などの値上がりも押し上げに働いた。食品中心のスーパー3団体加盟275社の15年売上高も10兆267億円と、3.6%の増だった。

最新トピックス

ユニーとファミマ統合でセブンに対抗

 コンビニ3位のファミリーマートと、4位のサークルKやサンクスを傘下にもつユニー・グループHDは2016年9月に経営統合し、コンビニ店名をファミリーマートに統一した。ファミマ、サークルK.サンクスを合わせると売上高の合計は約2兆6700億円で、業界2位になる。店舗は1万8000店台となり、首位セブンと肩を並べる。背景には国内の消費落ち込みがある。物流や取引条件などスケールメリットが期待できるという。

ダイエー碑文谷店がイオンスタイルに

 不振が続いた総合スーパーのダイエーは2015年1月にイオンの完全子会社になった。「ダイエー」の店名は19年春までに消滅するが、旗艦店だった碑文谷ダイエーも開業から41年の16年5月に閉店した。耐震補強と改装工事をし、同年暮れには、専門店化を進めた総合スーパー「イオンライフスタイル」にし、都会の富裕層を取り込む。

福岡市に新青果市場、青果物輸出の拠点に

 福岡市の人工島アイランドシティに2016年2月、青果市場ベジタブルスタジアムが開場した。福岡都市圏だけでなく中国や香港、東南アジアへの青果物の流通拠点化を目指す。イチゴやほうれん草、キャベツなど青物野菜などの生鮮品も、CA(大気調整)コンテナ船で植物を眠らせることで鮮度を保ったまま輸送できるようになり、航空便に比べ輸送費を大幅に抑えられるようになった。

東京都中央卸売市場が築地から豊洲に移転へ、「場外市場」は残留

 東京都中央卸売市場が、2016年11月、80年余の歴史を持つ築地から豊洲に移転する予定だったが、直前になって小池百合子都知事が見直しを表明し、延期された。都は施設の老朽化や過密化、貨物から大型トラックへ輸送手段の変化への対応などを移転の理由に挙げていた。一方、築地市場周辺にある民間の約400店からなる商店街の場外市場は残る。同年10月には場内にあった鮮魚・青果の一部業者が出店して市場機能を持たせた施設「築地魚河岸」がオープンする。場外市場は、プロだけでなく一般客も受け入れ、近年は外国人観光客の一大スポットになっている。

採用の傾向

百貨店業界の主な採用職種

 「 バイヤー」「販売」「店舗企画(催事・キャンペーンなどを企画する)」「販売促進(チラシや広告なども含めた販促プランを企画・実施する)」「販売教育」「外商営業(富裕層向けに商品を提案する)」「法人営業(企業向けに商品やタイアップを提案する)」など。

スーパー業界の主な採用職種

 「バイヤー」「ディストリビューター」「販売」「販売促進」「スーパーバイザー(担当地域の店舗を定期的に訪問し、売り場作りや販促企画をサポートする)」「営業企画(企業向けに商品やタイアップを提案する)」など。

コンビニ業界の主な採用職種

 「建設企画」「マーチャンダイザー」「ロジスティクス」「販売」「フィールドカウンセラー(担当地域の店舗を定期的に訪問し、売り場作りや販促企画をサポートする)」「広告販促」「マーケティング分析(店舗での売上分析とリポート作成を担当する)」「販売トレーナー」など。

専門店の主な採用職種

「仕入」「店舗運営(催事・キャンペーンの企画や店頭陳列のサポートなどを行う)」「販売」「販売促進」「スーパーバイザー」など。

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は16年度実績)
三越伊勢丹/ 総合職75(72)、販売職(短大・高専・専門学校卒含む)200(205)、髙島屋グループ/ 事務系約120、技術系未定(97)、イオングループ/約1500(約1500)、セブン&アイHD/900(834)、ローソン/ 200(174)