業界MAP

通信・インターネット関連

業界の仕組み

通信キャリア3強の顧客争奪戦

ill_tsushin.gif 固定電話や携帯電話サービスを担う「通信キャリア」(電気通信事業者)は、NTT、KDDI、ソフトバンクの3強が顧客争奪戦を繰り広げている。携帯電話の契約数(2016年3月末時点)は、NTTドコモが7096万件、auが4590万件、ソフトバンク(ワイモバイルを含む)が3960万件。3社がそろって国内で出荷台数1位の端末「iPhone」を扱っており、料金プランもデータ定額制などを採用して似通っているため、独自のサービスを打ち出すなどして差別化を図っている。

 2015年にNTT東日本・西日本が光回線の卸売を始めたのを機に、3社が光回線と携帯電話のセット販売を開始。16年4月の電力自由化によって、電力事業に参入した通信キャリアが電気料金とのセット割引を行うなど、ユーザーの囲い込み合戦は続く。

PCからスマホ・タブレットへ、さらに「ウエアラブル」も

 技術の進化とともに、パソコン(PC)からスマートフォン、タブレット端末への流れが加速している。MM総研の調査では、2015年度のタブレット端末の出荷台数は903万台。腕時計型の「アップルウォッチ」などのウエアラブルデバイスも、生活に身近な端末として注目を集めている。

新しいサービスが次々と誕生

 変化が激しく、新しい業態やユニークなサービスが常に生まれているのも、この業界の特徴だ。「facebook」に代表されるSNSは、他業種のビジネスやマーケティングにとっても、欠かせない存在に。メッセンジャーアプリの「LINE」は、格安通話や音楽配信、決済、アルバイト情報、タクシー配車などのサービスを展開し、スマホアプリを軸に事業の多角化を進めている。

 Amazonや楽天市場に代表されるeコマース(電子商取引)の業界では、リアルの店舗とネットの融合した「オムニチャネル」が注目を集めている。セブン&アイグループやイオンなど流通大手が本格的に参入し、市場の競争は激しさを増している。

最新トピックス

「格安スマホ」の普及が進む

 大手キャリアから回線を借りて事業を展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)の市場規模が急拡大している。MM総研の調査によると、事業者がSIMカードで独自の料金プランを提供する、いわゆる「格安スマホ」の総契約数は、2016年3月末で約539万回線。1年間で65.5%も増加し、「3強」を脅かしつつある。

 背景には、2015年5月にSIMロック解除が義務化されたことや、様々な業種から新規参入が相次いでいることが考えられる。事業者間の競争は激しくなるが、シニア層などにも普及することによって、2年後には1170万回線になると予測されている。

高速通信で動画配信サービスが本格化

 スマホの普及で、携帯各社の通信網は都市部を中心に混雑している。そこで期待されているのが通信の高速化だ。反応の速さはユーザーの使い心地に大きく影響するだけに、各社は高速通信規格「LTE」をさらに高速にしたサービスを投入。2020年には5G(第5世代)のサービスが商用化される予定で、研究開発が進められている。

 通信の高速化によって市場が拡大するとされるのが、動画配信サービスだ。2015年秋には、世界最大の定額動画配信サービス「Netflix」が日本に上陸。ドコモとエイベックスによる「dTV」や、日本テレビが国内事業を買収した「Hulu」など、様々な業界からの参入が進んで利用者の拡大を目指している。

携帯大手の多角的なビジネス展開

 NTTドコモは2012年から14年にかけて、CDショップ「タワーレコード」や有機野菜の宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」、「ABCクッキングスタジオ」の運営会社を次々と子会社化。ソフトバンクはヒト型ロボット「Pepper」を販売、auは生命保険や損害保険などのサービスを開始した。本業との相乗効果や、独自のサービス提供を狙って、携帯電話事業者は多角的なビジネス展開に乗り出している。

採用の傾向

通信業界の主な採用職種

 「基礎研究」「技術開発」「インフラ開発」「コンシューマーサービス企画・開発」「ソリューションサービス企画・開発」「ネットワークエンジニア」「システムエンジニア」「カスタマーサービス」「コンシューマー営業」「ソリューション営業」等。

インターネット関連業界の主な採用職種

 「事業企画」「プロデューサー」「編集者」「エンジニア」「デザイナー」「ネットワーク管理者」「法人営業」「広告営業」「マーケティング」等。

情報収集能力が大切

 通信・インターネット関連業界は、1年前に主流だった技術や商品、サービスがすぐに前世代のものになっていることも珍しくない。また、ネット通販やネット選挙など、法制度やルールも時代に合わせて変わり続けている。この業界で働く人は、情報収集能力が高く、時代や環境の変化に敏感であることが望ましい。

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
NTT東日本グループ(短大、高専、高校卒などを含む)/約600(539)、NTT西日本グループ(短大、高専、高校卒などを含む)/約415(約380)、NTTドコモ(短大、高専、高校卒などを含む)/200(199)、KDDI(短大、高専、高校卒などを含む) / 300(302)、ソフトバンク/約420(461)