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自動車(世界市場)……世界首位争うVWが失速、トヨタは中国市場へ

ill_jidosya.gif 長らく日本経済の根幹を担ってきた自動車業界。1台の車に使われる部品は数万点に上り、関連産業の雇用創出力も巨大で、製造業の基幹産業と言える。

 世界市場はリーマン・ショック以降、欧米や日本といった既存の市場にかわり中国をはじめとする新興国市場が成長を牽引してきた。ただ、中国市場は中国経済の減速や大気汚染対策に伴うナンバー発給制限などが逆風となり失速。中国汽車工業協会の発表では、2015年の新車販売台数は2460万台で前年比4.7%増加したものの、前年の増加率は下回った。世界全体の自動車市場の成長率も横ばい程度とみられる。一方で注目を集めているのが中国に次ぐ規模を誇る米国市場。15年の市場規模は15年ぶりに過去最高となり、多目的スポーツ車など高付加価値商品が売れるため企業の収益に対する貢献度も高い。ゼネラルモータース(GM)などの米大手企業の業績も復調しつつある。

 世界トップの座を争うのは独フォルクスワーゲン(VW)、トヨタ自動車、GMの「新ビッグ3」。統合を強めている日産自動車・仏ルノー連合、韓国の現代自動車が追う構図になっている。2015年の販売台数はトヨタ自動車がグループ全体で1015万台と、前年比0.8%減なものの4年連続で首位の座を守った。15年上半期に首位に立ったVWは、15年9月に発覚した大規模な排ガス規制逃れの不正が経営に大きく響いている。トヨタ自動車はVWやGMが先行する中国市場への進出をはかり、18年には中国・天津で完成車組み立て工場の生産を始める予定。下位メーカーでは14年に伊大手フィアットが米クライスラーと統合しフィアット・クライスラー・オートモービルズが誕生。一方でVWとスズキが提携を解消し、トヨタとスズキが提携の検討を始めていると報じられるなど動きが出ている。

自動車(日本市場)……軽自動車、前年割れも市場の中心に

 日本自動車販売協会連合会などによると2015年の国内新車販売台数は505万台と前年から9%減少し、4年ぶりに前年の実績を下回った。特にこれまで市場を牽引してきた軽自動車は15年4月の軽自動車税引き上げなどの影響を受け、前年から17%近く減少して190万台にまで落ち込んだ。もっとも、年間の車種別販売ランキングではあいかわらず軽自動車が上位10車種中6車を占めるなど市場の中心にいる。トヨタ自動車は16年、子会社のダイハツ工業を完全子会社化すると発表。ダイハツと軽自動車市場で激しく競り合うスズキとの提携報道もあり今後が注目される。

 市場を牽引しているもう一つのカテゴリーがハイブリッド車(HV)。年間車種別販売ランキングのトップ「アクア」(トヨタ)と2位「プリウス」(トヨタ)はともにHVでそれ以下も「フィット」(ホンダ)などHVモデルを含む車種が続く。円安傾向が続き海外生産移管の流れが一時鈍ったものの中長期的には海外移転の流れは避けられず、海外生産台数は日産自動車やホンダが過去最多となった。

自動車部品……異業種参入で競争活発化

 自動車メーカーの系列下に組み込まれてきた自動車部品メーカーだが、部品現地生産の流れや自動車メーカーの部品規格共通化といった動きへの対応を迫られている。電機や素材メーカー、グーグルやアップルといったIT業界など異業種の参入も増えている。

最新トピックス

三菱自動車、燃費不正問題で日産傘下入り

 2016年4月、三菱自動車が生産していた軽自動車4車種で燃費試験のデータを不正に操作していたことがわかった。この影響をうけ、5月には日産自動車が三菱自の株式34%分を取得して事実上傘下におさめる資本業務提携を結んだと発表。スズキも自動車の燃費試験データを国の規定とは異なる方法で測定していたことが判明している。

富士重工業、2017年4月に社名を「SUBARU」に変更

 2016年5月、富士重工業は創業100年を迎える17年4月を機に社名を自動車のブランド名と同じ「SUBARU」に変更すると発表。スポーツ用多目的車(SUV)を中心に世界販売の6割を売る北米市場で好調が続くとみており、17年3月期の世界販売は初の100万台超を売る計画を立てている。

採用の傾向

主な採用職種

 「先端研究」「生産技術開発」「商品企画」「商品開発」「品質保証」「生産企画」「物流企画」「量産開発」「生産ライン設計」「品質管理」「営業企画」「販売事業支援」など。

技術系の比率高い

 大卒採用実績を見ると、例えば日産自動車は事務系69人に対し技術系280人(2016年春入社数)。近年は各社とも技術系の比率が高い。数多くの職種があるので、幅広い専攻の学生を採用している。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

「自ら高い目標を掲げ、周囲を巻き込んで挑戦していく人」(トヨタ自動車)、「NISSAN WAYを体現しつつ成果を生み出し、グローバルで戦える“和魂多才型人財”」(日産自動車)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
トヨタ自動車(短大、高専、高卒など含む) / 2680(2597)、日産自動車/約365(349)、ホンダグループ(高専、専門学校卒の一部含む)/ 520(397)