業界MAP

建設・不動産・住宅

業界の仕組み

建設……五輪特需後にらみ海外進出はかる

ill_fudosan.gif 日本の経済成長の根幹を担ってきた建設業界。特に大手5社(鹿島、清水建設、大成建設、大林組、竹中工務店)は「スーパーゼネコン」と称される。建設経済研究所の調べでは、1990年以降ほぼ減少傾向だった建設投資は2011年度から増加傾向だったものの、15年度は前年度比2.5%減、16年度も前年度割れする見込み。もっとも、東日本大震災の復興関連事業や「国土強靱化基本法」制定、アベノミクスが追い風となって業界全体としては上向き基調。老朽化したインフラの整備や20年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた新国立競技場や選手村などの建設工事、JR東海の中央リニア新幹線建設工事など巨大工事案件には当面事欠かない。労働力不足に伴う人手不足と人件費の高騰が懸念材料だったが、これも解消されつつある。建設市場自体は東京五輪後に縮小するという見方が強く、インフラ整備が進む海外での受注拡大や省エネなどを売りにした高付加価値プロジェクトで生き残りをかける。

不動産……都心オフィスビルは賃料上昇

 土地を仕入れて宅地やビル、マンションを造成し、それを販売、賃貸するのが不動産業界。財閥系の三菱地所や三井不動産は都内一等地のオフィスビル賃貸を収益の軸にし、その他はマンションなどの販売に軸足をおくなど各社の収益源には違いがある。業界を活気付かせているのが都内の大型再開発。渋谷再開発や日比谷など、東京五輪をにらみながら様々なプロジェクトが進んでいる。企業業績がよくなったことからオフィス賃料も上昇機運。東京都心5区のオフィスビル平均空室率は2016年6月末で4.07%と、賃料上昇のめやすとなる5%を12カ月続けて割り込んだ(三鬼商事調べ)。

 2015年のマンション発売戸数は7万8000戸と前年から6%減少(不動産経済研究所調べ)。平均分譲価格は前年から7%ほど上がり、1973年以降で最高となった。都市部では中古マンションも大幅に値上がりし、「家が欲しくても買えない状況」になりつつある。一方、タワーマンションの相続税評価額が実勢価格よりも大幅に安くなることを利用した節税に対して見直しの機運が高まり、タワマンの売れ行きが鈍り始めている。今後は新築マンション市場の縮小は避けられず各社ともアジアや欧米諸国での物件開発、ストック(中古住宅)の管理や売買仲介といった分野を強化しようとしている。

住宅……駆け込み需要の反動大きく、賃貸やリフォームなど多角化はかる

 大和ハウス工業と積水ハウスを2強とする住宅メーカー業界。2014年度の新設住宅着工戸数(戸建て戸数)は消費増税の影響で前年比17%減の41万戸となり大幅減少していたが、15年度はそこから回復して前年度比2.2%増の42万戸となった。大和、積水の2強を含め各社ともリフォームや賃貸住宅など多角経営に乗り出し、増加する空き家の管理改修といったサービスも登場している。政府は少子化対策や省エネ対策として三世代同居や省エネリフォームへの補助金政策を打ち出しており、その市場への対応も今後のカギとなるだろう。

最新トピックス

2015年度決算、不動産、ゼネコンとも好調

 2016年3月期の決算を見ると、三井不動産や三菱地所など不動産大手5社はいずれも純利益が前年から1~2割増で、三井不動産など3社は最高益を更新した。東京都心部などに建てた大型オフィスビルの賃貸が好調で、08年のリーマン・ショック直前以来の好況。大手ゼネコンの16年3月期決算も、大手4社がいずれも純利益で過去最高を記録。20年に迫った東京五輪の関連事業が業績を押し上げている。ただ、需要がふくらんでいるのは東京都心部などに限られる。

公示地価、商業地が8年ぶり上昇 都市部は上昇進む

 国土交通省が発表した2016年1月1日現在の公示地価は、商業地の全国平均が前年から0.9%伸びて8年ぶりに上昇に転じた。昨年の11都府県を上回る16都道府県で上昇し、北陸新幹線の開通効果が出ている石川などが上昇に転じた。大都市圏だけでなく地方の中核都市の土地取引も活発になり、住宅地の地価の回復も進んでいる。ただ、人口が減り土地の需要が乏しい地方までは広がっていない。

採用の傾向

建設・土木業界の主な採用職種

 「研究開発」「建築生産技術(建設・土木工事用機械設置)」「設計」「開発(不動産の企画開発)」「建設施工」「設備施工」「土木施工管理」「生産管理」「営業」など。

不動産業界の主な採用職種

 「用地取得」「用地開発」「企画」「設計」「サービス開発」「施設運用」「営業」など。

住宅業界の主な採用職種

 「研究開発(住宅の構造・建材・規格等の研究)」「設計」「工事」「設備」「購買」「生産管理」「住宅営業」「建設営業(不動産仲介会社向けの営業)」など。

建材・住宅設備業界の主な採用職種

 「応用研究」「生産技術開発」「品質評価技術」「生産管理」「商品企画」「商品開発設計」「規格調査」「マーケティング」「営業」など。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「『地図に残る仕事。』を自分の手で実現する“熱い想い”を持った社員」(大成建設)、「新しい時代の社会づくりに挑戦する人材」(竹中工務店)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
鹿島/ 200(202)、大成建設(短大・高専・専門学校卒含む)/275(296)、清水建設/約275(252)、大林組(短大・高専・専門学校卒、高卒含む)/約275(294)、積水ハウスグループ(短大・高専、高卒など含む)/ 658(567)、大和ハウス/ 1540(1344)、三井不動産/ 約40(39)、三菱地所/未定(28)