業界MAP

精密機器・電子機器

業界の仕組み

カメラ・ビデオカメラ……高機能機種充実に活路を

ill_seimitsukiki.gif デジタルカメラは日本メーカーが世界市場の8割を占める業界。カメラ映像機器工業会のまとめでは、2015年のデジタルカメラ総出荷数は約3540万台(前年比18.5%減)でピーク時の3分の1以下に落ち込んだ。ミラーレスタイプのカメラが人気を伸ばしてきたレンズ交換式カメラの出荷台数も3年続けてマイナスに。各メーカーは高機能機種の充実や生産拠点の集約によるコスト削減を通じて収益を確保しようとしている。

 
パソコン、タブレット……キーボード脱着型タブレットが伸びる

 急成長してきたタブレットの勢いが鈍り始めている。米調査会社のIDCによれば、2015年の世界のタブレット出荷台数は初めて前年比マイナスに。IDC Japanによれば国内のタブレット端末出荷台数は前年から微増したが、スマートフォン(スマホ)との競合で市場の伸びにはかげりが。その中でもキーボードが脱着できる「デタッチャブルタブレット」はパソコンの代替商品として今後の成長が見込まれる。

 一方のパソコン市場だが、IDC Japanによると2015年の国内PC出荷台数は前年比31%減の1055万台にまで低落。故障が減って性能が上がった反面、買い替え需要が減少して市場の縮小傾向に拍車がかかっている。米マイクロソフトが提供する基本ソフト(OS)の「Windows10」への無償更新が16年7月末に終了するため、その後にPCの新機種購入需要が高まるかが注目される。

携帯端末……スマホは中国メーカー成長

 市場を牽引してきたスマホは日本では市場が飽和。IDC Japanの調査では、2015年のスマホ出荷台数は従来型の携帯電話からの移行が進んで前年から3.6%増となったが、iPhoneの落ち込みが目立った年後半は前年比割れ。世界的には15年のスマホ市場は前年比約10%増という伸びを見せているが(IDC調べ)、中国のスマホ市場が飽和しつつあることから伸び率は鈍化している。世界的にはアップルとサムスン電子がスマホ市場の2強を形成しているが、小米(シャオミ)など中国メーカーの成長が目立つ。日本メーカーは引き続き苦戦中だが、高機能モデルに生き残りの活路を見いだす。

電子部品……スマホ向けは失速、新規分野開拓求められる

 デジタル機器や電化製品に使われる部品の総称。特に超小型部品は日本の得意分野だ。市場を牽引してきたスマホ向け市場がiPhoneの低迷にともない失速しつつあり、メーカーの業績も減速傾向に。低価格スマホの普及にともない部品のコモディティー化も予想され、スマホ市場が健在のうちにエネルギー部門や市場拡大が見込まれる自動車向け部品など成長分野を見つけることが今後の生き残りのカギとなりそうだ。

半導体……IoTで今後成長見込める

 世界の半導体市場規模はパソコン出荷台数の低迷によりやや減少傾向。ただ、モバイル機器や自動運転を見越した自動車市場の拡大が今後見込まれ、あらゆるものがインターネットでつながるIoTの進展なども市場成長の牽引役になると見られている。米インテル、韓サムスン、ハイニックスが世界シェアトップの座を争い、日本メーカーは技術力で生き残れる分野を模索している。

最新トピックス

パソコン事業の統合交渉が破談に

 東芝と富士通、ソニーから独立したVAIOの3社によるパソコン事業の統合交渉が決裂した。統合後の成長戦略を検討したところ、予想以上に生産台数の伸びが期待できず、部品の共通化などによるコスト削減効果が十分に得られないと判断したという。

電子部品、2016年3月期決算は大手4社が減益

 米アップルのスマホ減産などがひびき、京セラ、日東電工、アルプス電気、ロームの4社が昨年比で営業減益に。為替が円高にふれた影響でさらに業績が悪化する可能性も。

ソニー、リチウム電池事業を村田製作所に売却

 2016年7月、ソニーは世界ではじめて商品化したリチウムイオン電池事業から撤退し、村田製作所に売却すると発表。中韓とのコスト競争に負けて採算が取れず、一方の村田製作所は自動車産業向け製品開発のためソニーの生産設備や技術に魅力を感じた。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究開発」「生産技術」「商品企画」「回路設計」「生産管理」「品質保証」「購買」「物流」「国内営業」「海外営業」など。

理系から「セールスエンジニア」の道も

 採用は理系が中心で、機械や電気電子、情報など幅広い学科が対象になる。研究開発部門だけでなく、専門知識を生かして市場を開拓する「セールスエンジニア」の人材を理系から求め、世界各国を飛び回りますと呼びかけている企業も。

デザイナーも重視

 アップル製品の伸びを見てもわかるように、消費者向け精密機器にとってはデザインの善し悪しが非常に重要になってきている。他の業界にないような「ファッションブランド」のセンスが求められるのも特徴。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「京セラという会社を好きになり、仲間と共に成長していきたいという人。グローバルに活躍したい人。そして大きな夢と高い志を持った方」(京セラ)、「厳しい環境に共に立ち向かえる、意欲と能力を兼ね備えた人」(村田製作所)、「世界の社会課題の解決に、誰にも負けない強みを持ってチャレンジできる人財」(オムロン)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
村田製作所(高専、高校卒含む)/約290(242)、オムロングループ(短大、高専、専門学校、高校卒含む)/ 169(228)、キヤノン(短大、高専、専門学校卒含む)/ 395(332)、リコー/約160(170)