業界MAP

家電・総合電機

業界の仕組み

総合電機……比較的堅調に推移

ill_kaden.gif 電機産業は取り扱う製品によって、家庭用の洗濯機や冷蔵庫といった「白物家電」、デジタル機器やAV機器などの「黒物家電」、産業用発電機や変圧器などの「重電機器」に大きく分類される。ジャンルを問わず事業展開しているのが「総合電機」メーカーで、日本では日立製作所、三菱電機、東芝の3社がこれに相当し、「重電3社」とも言われる。日本電機工業会のまとめでは、2015年度の重電機器の国内生産見込みは約3兆7047億円と前年度を5%下回り、16年度の生産見通しもほぼ横ばいだった。

 重電中心の総合電機メーカーは不正経理問題の影響が続く東芝をのぞき、日立、三菱とも比較的堅調な業績だった。日立製作所の2016年3月期決算は、売上高が前年度比3%増の10兆343億円で営業利益は64億円減の6348億円。鉄道や電力などの社会インフラ事業やシステムソリューション事業が業績を押し上げたが、中国経済の減速が失速要因となり、次年度は減収を見込んでいる。三菱電機も中国景気減速の影響は受けているが、家電部門で増益が見込まれるなど底力を見せている。

 世界のインフラ整備の市場規模は、新興国での需要増と先進国の更新需要が重なり今後20年で計30兆ドルにも達すると見られており、特に環境に配慮した都市プロジェクトなどの需要を取り込むことで成長が見込める分野だ。ITサービスを中心とする富士通、NECの大手2社は国内市場の頭打ち感を脱却し、成長路線をいかに固めるかがカギ。

家電……白物家電は需要増

 パナソニック、ソニー、シャープは重電を扱わない「家電3社」と称される。このうちシャープは2016年3月期の最終損益が2559億円の赤字になり、台湾の鴻海(ほんはい)精密工業傘下で出直しをはかることになった。パナソニックも中国の景気減速や、力を入れていた住宅販売事業が国内市場の冷え込みで低迷し、売上高は前期比2.2%減の7兆5537億円となった。一方で長年業績の足をひっぱってきたテレビ事業はコスト削減の効果が出て8年ぶりに黒字に。ソニーはやはりテレビ事業が黒字化し、カメラ事業やゲーム、音楽事業が好調で3年ぶりに黒字となった。

 白物家電は日本電機工業会のまとめによると、2015年度の生産額見込みが1兆7717億円と前年度から5%アップした。消費増税後の需要低迷期を脱し、円安が続いて国内への生産回帰の動きも出たことから生産額が増加に転じた。震災続きで省エネ性能の高い製品への人気も引き続き高く、需要は引き続き好調に推移しそうだ。炊飯器や掃除機などの高級機、インターネットと連携したスマート家電が市場を牽引している。国内市場は飽和ぎみだが世界的に見るとエアコン、冷蔵庫など白物家電への需要は新興国を中心に伸びている。北米地域では省エネ性能で評価の高い日本製のエアコンが人気を集めつつある。

最新トピックス

シャープ、台湾の鴻海精密工業傘下に

 2016年3月期の連結損益が2559億円の赤字と2年連続の大幅赤字を計上したシャープは自主再建を断念、4月に台湾の鴻海精密工業から3888億円の出資を受け、同社の傘下で再建を進めることになった。大阪市にあった本社も堺市に移転。鴻海の副総裁がシャープの人員削減の可能性に言及するなど、厳しい再建への道が予想される。

東芝、不正会計問題で事業の大幅見直し迫られる

 不正会計問題に揺れる東芝が事業の大幅な見直しを迫られている。2016年3月期の決算は、米の原発子会社ウェスチングハウスの資産価値を切り下げた損失として約2600億円を計上するなど営業損益が7087億円、純損益が4600億円の大幅な赤字。財務の健全化が急務となっており、収益事業だった医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」をキヤノンに、白物家電部門も中国家電大手の美的集団に売却した。

三菱電機、世界最速のエレベーターを中国に納入へ

 三菱電機は、世界最速の分速1230メートルのエレベーターを開発し、中国・上海で今年開業が見込まれる「上海中心大厦」に納入すると発表した。日立製作所が中国・杭州のビルに納入する分速1200メートルのエレベーターが世界最速となる見通しだったが、その座を奪い返した。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究開発」「生産技術」「デザイン」「マーケティング・商品開発」「ソフトウェア技術」「機械設計」「電気設計」「生産管理」「品質保証」「購買」「物流」「国内営業」「海外営業」「広報宣伝」など。

「家電」「重電」で仕事に違い

 消費者向けに完成品を売る「家電」とは違い、重電の製品は企業や工場向けの「受注生産」が主流。製品を売り込む営業職にも高度な技術知識が求められる。また、定期点検や補修も重要で、専門に対応する「サービスエンジニア」の部門を強化する動きが目立っている。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「日本であっても、海外であっても臆せず挑むことができる『意思』と『覚悟』のある人材」(日立製作所)、「『攻め』の姿勢で、未知の世界を切り拓いていく覚悟を持った人材」(パナソニック)、「様々な社会課題に立ち向かうため、自ら周囲に働きかけ、大きな力を生み出し、最後までやり抜く人」(三菱電機)、「しなやかな感性、スマートな思考力、タフな心身」(シャープ)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
日立製作所(高専卒含む)/ 600(600)、東芝グループ/0(-)、パナソニックグループ/ 650(650)、ソニー/ 300(274)、三菱電機/ 910(930)、シャープ(高専卒含む)/ 200(121)、NEC/前年並み(450)、富士通(短大・高専・専門学校卒含む)/500(500)