業界MAP

機械・プラントエンジニアリング

業界の仕組み

造船・重機……航空機や重電設備が需要拡大

ill_kikai.gif 総合重機メーカーは造船業を出発点として事業を多角化。日本最大の総合重機メーカー・三菱重工業の場合、取り扱う分野は火力発電所向けガスタービンや航空宇宙分野、大型産業機械、防衛など広範囲にわたる。鉄道車両やガスタービン、大型二輪に強い川崎重工業、航空エンジンや火力発電用ボイラーに強いIHIなどそれぞれ強いジャンルに特徴がある。国内インフラの需要が低迷しており、今後の生き残りのカギは海外戦略。政府は成長戦略の一環として2020年までにインフラ輸出額を30兆円まで引き上げる方針を打ち出しているが、中国をはじめとする新興国の経済が失速してきたことから世界需要の先行きは不透明だ。需要が拡大しているのは航空機関連や重電設備。15年11月に初飛行した三菱航空機の国産旅客機「MRJ」の受注動向に注目が集まっている。

 造船業界をみると、かつて造船大国だった日本は世界シェアで中国、韓国に次ぐ3番手に落ちていたものの、日本船舶輸出組合のまとめでは2015年度の輸出船契約実績は円安の影響もあって前年比57%と大幅に増加。新興国の景気減速や反動減で厳しい市場環境が続くと見られているが、省エネ船など他国に先行する技術力を頼みに中韓とのシェア争いに乗り出していく。

建設・工作機械……業界はやや低調、ロボットは好調

 「景気を映す鏡」とも言われる建設機械業界。2015年の出荷額は前年度比5.3%減の2兆3129億円(日本建設機械工業会調べ)と2年ぶりに減少、国内向けは1.1%減の1兆69億円で6年ぶりに減少した。東日本大震災からの復興需要や東京五輪向けの投資は堅実なものの、海外は中国経済の減速、資源価格下落にともなう鉱山資源開発の停滞の影響を受けて需要が全体的に低迷している。

 自動車や航空機、スマートフォンなどの電子機器など様々な機械の部品をつくる工作機械業界は製造業の心臓部と言われる。受注動向は2013年の前半を底に復調傾向。15年の受注額は1兆4804億円(日本工作機械工業会調べ)と前年度から1.9%減で2年ぶりに前年割れとなったが、金額的には07年、14年に次ぐ高水準となった。北米や欧州、中国などの外需が低迷したが、国内需要が自動車や一般機械向けを中心に幅広い業種で受注が伸びた。韓国や台湾がつくる安価な工作機械との差別化が課題となる。

 やはり工業生産の主要部を担う産業ロボット業界は複数の関節を持つ多関節ロボットと電子部品を基盤に載せる電子部品実装機に大別され、多関節ロボットは安川電機とファナックが世界4強の2つを占める。2015年の産業用ロボット出荷額は5284億円(日本ロボット工業会調べ、会員企業ベース)で前年比8.9%増と2年連続でプラス。中国の景気減速といったマイナス要因はあるが、人手不足や人件費高騰を背景にした中国やインド市場の拡大傾向は今後も続くことが予想されている。

プラントエンジニアリング……原油安で求められる「非石油部門」への進出

 エネルギーや石油化学などの生産設備、装置一式の設計や資材調達、施工を手がけるのがプラントエンジニアリング。日本では日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリングの3社が専業大手として有名だ。日揮や千代化は天然ガスを液化する技術に強みがあり、アメリカのシェールガス開発で立ち上がったプラント事業も受注。ただ、原油価格の急落で新規プラント建設は見送られる傾向で、石油以外の部門強化が求められる。

最新トピックス

国産初のジェット旅客機MRJ、2015年11月に初飛行

 三菱航空機が開発を担い、1962年に初飛行したプロペラ機YS11以降半世紀ぶりの国産旅客機として誕生したMRJが名古屋空港で最初の飛行試験に成功した。2016年7月には欧州企業から初めて受注するなど、今後の顧客拡大に期待が寄せられている。

オーストラリアの潜水艦選定で日本落選

 2016年4月、オーストラリアは次期潜水艦12隻をフランスの政府系軍事企業に発注すると発表、三菱重工と川崎重工による「そうりゅう」型潜水艦を提案していた日本は敗れた。14年4月に武器輸出を原則禁止した「武器輸出三原則」を改め、一定の条件を満たせば輸出を認める方針に変わっていたが、出ばなをくじかれる形になった。

業界の動向

主な採用職種

 「研究」「生産技術」「製品開発(ハードウェア、ソフトウェア)」「設計」「品質保証」 「購買・資材」「生産管理」「物流」「国内営業」「海外営業」「技術営業(営業に同行し製品機能を説明する)」「フィールドエンジニア(技術サポートを行う)」など。

「事業部別採用」と「ローテーション制度」

 理系の場合、企業によっては大学での専攻を生かせる配属部門をあらかじめ決定してから応募する「事業部別採用」をとっている。一方で幅広い専門家の育成のため、決められた年限ごとに配属先を変える「ローテーション制度」をもうけている企業も。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「Active 、Balanced 、Creative」(三菱重工業)、「切磋琢磨できるチームプレイヤー」(川崎重工業)「誠実と信頼・お客さまと社会のために・創造と革新・チームワーク・世界レベルのプロフェッショナル」(IHI )、「モノづくりへの徹底したこだわりを持った人」(ヤマザキマザック)、「自ら考え、皆と協力しながら、新しいことに果敢にチャレンジし続ける人」(安川電機)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
三菱重工業/250(238)、IHI(一部高専卒含む)/250(283)、川崎重工業(高専卒含む)/ 310(333)、コマツ/ 153(158)