業界MAP

文具・事務機器・OA機器

業界の仕組み

文具……市場縮小も高付加価値の筆記具が成長

ill_bungu.gif 筆記具、ノートなどの紙製品、ファイルやラベル類などの事務用品を取り扱う文具業界は、リーマン・ショックに伴う企業の経費節減の流れを受け2009年度に市場が大幅縮小。その後も減少傾向が続いたが、12年度に底を打ち現在は復調傾向にある。矢野経済研究所の調査では、14年度の文具・事務用品市場規模(メーカー出荷金額ベース)は前年度からほぼ横ばい(0.6%減)の4662億円。

 順調に伸びているのは筆記具で、2014年度は前年度から3.8%増の928億円を売り上げた。長年この市場を引っ張ってきたボールペン市場は14年度も前年度比5.8%増と成長。13年度にこれまで構成比率が最も高かった油性ボールペンを抜き、「消せる」ボールペンが息の長いヒットとなっている水性ボールペンが構成比トップとなった。もっとも、油性、水性とも成長率は鈍りはじめており、拡大傾向は落ち着く見込み。また、注目を集めているのがシャープペンシル市場。14年度はメーカー出荷金額ベースで前年度比5.1%増の145億円となった。「芯が折れない」などの高機能・高付加価値商品が市場に投入されたことで、少子化という逆風のなか市場拡大につながった。

 今後はスマートフォンに対応した文具や、実用性だけでなく個人のこだわりや趣味を反映できる個性的な商品が市場活性化のカギを握りそうだ。もともと海外への進出が盛んな業界で、筆記具業界はすでに売上高の多くを海外市場で稼いでいるわりに国内生産の比率が高いため為替変動の影響を受けやすい業界だ。

事務・OA機器……複合機は底打ち、周辺サービスに力を

 複写機にFAX、スキャナーの機能も備えた「複合機」、プリンターなどを扱う事務機器業界。ビジネス機械・情報システム産業協会のまとめでは2015年の国内・海外向け複写機・複合機出荷金額は9709億円(前年比3.9%増)と上向いているが、先進国においてはすでに市場が飽和している状態。事務機械全体を見ても15年の国内向け年間出荷金額は3666億円と前年から5%減少している(同協会まとめ)。IT機器の普及にペーパーレス化の進展などを見ても中長期的には縮小傾向が想定される。

 大手各社は複合機やインクトナーなどの消耗品を売るビジネスモデルから、機器をリースし課金するシステムに切り替えつつある。そこで軸となるのが、複合機など事務機の運用管理を請け負うMPS(マネージド・プリント・サービス)やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスの強化。オフィス機器の最適な配置やITサービスの提供によりコスト削減を実現するもので、サービスとあわせてハードウェアの販売促進にもつなげることができる。

最新トピックス

コクヨ、中期経営計画で「海外事業の収益安定化」掲げる

 文具大手のコクヨは2015年10月に発表した中期経営計画で、目標のひとつに海外事業の収益化を掲げた。好調なインドと堅調なベトナムでは引き続き積極的に新商品を投入し、中国市場でも利益率の高い商品に力点を置いて収益向上をはかる。

小学6年の文房具図鑑、話題に

 小学6年生の少年がお気に入りの文房具160点以上を紹介した夏休みの自由研究の「図鑑」が出版され、話題を呼んでいる。5年生の時から気になる文房具の特徴や使い心地をイラストつきで書き始め、自由研究のテーマに選んで完成させた。プレゼントされた近所の文房具屋がフェイスブックで紹介されたことで人気に火がつき、出版にこぎつけた。

リコー、中国で再生複合機ビジネスを開始

 リコーは2015年夏から、中国で再生複合機のビジネスを開始した。使用済みの複合機を改修して分解、清掃、部品交換、組み立てなどの処理を行い再び市場に出荷するビジネスで、リコーは複合機メーカーとして初めて中国への使用済み複合機輸入と再生製造の認可を取得。中国の工場に世界中から回収した使用済み複合機を集め、中国国内で販売する。

採用の傾向

主な採用職種

 「研究」「技術開発」「生産技術」「商品開発」「品質保証」「生産管理」「調達・物流」「ソリューション営業」「技術サポート」など。

技術で勝負する文具業界

 ブーム到来とも言われる文具業界では技術力を投入し、新製品の開発に力を入れている。文系、理系を問わず活躍できる業界だ。事務・OA機器は周辺サービス事業にも力を入れており、こちらも文理を問わず幅広く採用している。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPより抜粋)

「進取の気性にあふれ、未知のものにチャレンジする気概に満ちた人」(キヤノン)、「共に変革に挑戦していただける方」(リコー)、「人との相互信頼を大切にし、常に問題意識を持って柔軟な思考で改善・改革できる、自ら成長と学び続ける意志・姿勢を持った人」(富士ゼロックス)、「自己変革をしない人間に商品が変えられるはずがない」(コクヨ)、「情熱をもって物事に取り組める人」(キングジム)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
キヤノン(短大・高専・専門学校卒含む)/ 395(332)、リコー(短大・高専・専門学校卒含む)/約160(170)、富士ゼロックス(単体)/未定(110)、コクヨ/約60(39)、パイロット/ 16(12)