業界MAP

化粧品・生活用品

業界の仕組み

化粧品……インバウンド消費で市場成長も、海外展開がカギ

ill_keshohin.gif 2015年の国内メーカーの化粧品出荷額は前年比1%増の1兆5070億円(経産省調べ)、その他外資系メーカーを加えた15年度の市場規模(予測値)は前年度比0.2%増の約2兆3356億円(矢野経済研究所調べ)でいずれも前年から微増となった。消費増税の影響を受け一時冷え込んだ市場は、14年10月に外国人旅行者向けの免税制度が拡充されたことでインバウンド消費が伸び、成長に転じた。少子高齢化が進み人口増が見込めない成熟市場ではあるが、スキンケアやメイクアップ、ヘアケアなど様々な分野でそれぞれ市場規模が拡大。参入障壁が比較的低いことからロート製薬、富士フイルムといった異業種企業が続々参入、特に最近は医薬分野からの参入が目立つなど厳しい競争環境にある業界だが、各メーカーの努力が需要の拡大に結びついている。

 今後成長が見込めそうなのが男子用化粧品市場。2014年度の市場規模は前年度比1.7%増の1160億円(矢野経済研究所調べ)と他のカテゴリーを上回る伸び率を示した。中高年世代をターゲットに、ヘアケア製品やアンチエイジングを訴求したスキンケア製品が市場を引っ張っている。

 国内市場が縮むなか各メーカーとも海外市場の開拓に力を入れ、資生堂は2013年にインドに現地法人を設立するなど海外売上比率が5割を越えた。もっとも、世界市場では海外企業がメガブランドを擁しており、知名度におとる日本メーカーは苦戦中。そのため、すでに確立されたブランドを持っている企業のM&Aが活発になっている。

 販路を見ると、インターネット販売はこれまで新興メーカーが積極活用してきたが、系列販売店への悪影響を懸念してきた資生堂など旧来のメーカーも強化策に乗り出してきている。また、ドラッグストアを中心とする低価格帯でも各社がしのぎを削っている。

生活用品……中国や東南アジアに商機あり、来日観光客への訴求も

 洗剤などの衣料品関連、ハンドクリームなどのスキンケア商品、掃除・台所用品、トイレ用品、ベビー用品など幅広い商品を扱う業界。国内市場は成熟しており今後の拡大は見込みにくく、各社とも海外展開に活路を見いだしている。特に東南アジアや中国への進出が軸となる。ユニ・チャームは海外売上高比率が6割に達し、中国や東南アジアに加えインドや中東地域への進出もはかる。国内シェアトップの花王は海外売上比率はそこまで高くないが、中国やタイに工場を進出させてブランドを浸透させ、今後の海外売上比率を高める計画だ。日本製の「高級ブランド」イメージをいかに海外での市場シェア争いにつなげていくかが今後のカギとなる。

最新トピックス

資生堂、大阪に化粧品の新工場建設へ

 資生堂は2016年2月、約400億円を投じてスキンケア化粧品の工場を大阪府茨木市に建てると発表した。20年度の稼働を目指す。国内での工場建設は1993年の舞鶴工場(2006年閉鎖)以来のこと。ロボット導入などで、生産能力を今より5割高い年1億個に高める。

資生堂、美容部員の正社員採用を復活 働き方を見直す「資生堂ショック」も

 資生堂は2016年4月から、11年ぶりに美容部員の正社員採用を再開した。正社員採用を中断していた時期に入社した契約社員約2000人についても正社員登用試験を受けてもらい、順次正社員にする予定。一方、百貨店などの美容部員の働き方を14年4月に見直した。子育て中の短時間勤務者に、できる限り土日や平日夜も働くよう求める内容。化粧品売り場が混み合うのは仕事帰りの女性らが来店する平日夕方以降や仕事が休みの土日のため、忙しい時間ほど人手不足になることが悩みだったという。

紙おむつ、インドネシアでブームに

 紙おむつ「グーン」を売る大王製紙は2016年3月より、インドネシアの新工場から新製品の出荷を開始。イスラム教徒が多い国のため、イスラムの戒律に沿った「ハラル」認証をおむつ工場で初めてとった。ユニ・チャームはインドネシアで高級な男女別のマミーポコを投入し、ライバルとの差別化をはかる。花王は「メリーズ」の新工場をインドネシアの首都、ジャカルタ郊外に建て先行するユニ・チャームを追いかけている。

採用の傾向

化粧品メーカーの主な採用職種

 「研究」「生産・製造技術」「宣伝」「営業企画」「営業」「マーケティング」「ビューティーアドバイザー」(顧客や専門店の店員に化粧品情報を提供し指導、販売する)など。

生活用品メーカーの主な採用職種

 「基礎技術研究」「生産技術」「商品開発」「マーケティング」「デザイナー」「購買」「ロジスティクス」「生産管理」「品質保証」「企画営業」など。

女性の活躍の場が多い

 とりあつかう商品の特性から女性社員の比率が高いのが特徴。そのためダイバーシティーマネジメントに積極的に取り組む姿勢を見せる企業も多い。消費者と直接向き合う商品がほとんどを占め、商品品質の向上やマーケティング戦略に多くの予算や社員が割かれており、求められる専門性も高い。今後の発展の鍵を握る海外市場への展開を考えると、語学力も必要だろう。

大手企業の「こんな人がほしい!」(採用HPから抜粋)

 「『BIG WIN 5』に共感し、体現することができる方」(資生堂)、「こころ豊かな生活文化を提案する企業として、共に成長し、次の世代へバトンをつないでいこうという意志を持った人材」(花王)、「世界中の生活者に対し私たちと同じ志のもと世界第一級の商品とサービスを提供できる人材」(ユニ・チャーム)、「今、変革の実践を通して、果敢にチャレンジできる人材」(ライオン)

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
花王(短大・高専・専門学校・高卒含む)/ 255 (285)、富士フイルムグループ/ 510(511)、資生堂グループ/ 90(88)、ライオン/ 80(69)