業界MAP

アパレル・ファッション

業界の仕組み

販売不振続き、市場全体は低迷

ill_seni.gif 衣料・ファッション関連のアパレル小売市場は、少子高齢化の進行、個人所得の伸び悩みなどで衣料品需要の縮小傾向が続いている。各社で店舗の閉鎖や不採算ブランドの整理など、リストラが相次ぐ。特に総合アパレル最大手のワールドは銀行出身の上山健二氏が創業家以外から初の社長に就任、2015年度に衣料品の13ブランドを廃止し、国内で全体の約17%にあたる479店舗を閉鎖した。ネット通販や、企業向け制服などに注力するなど、事業の構造改革を積極的に進めている。

 
勝ち組SPA業態も国内は頭打ち

 高級ブランドからファストファッションまで幅広い品目があり、販売チャネルとしては「百貨店」と「量販店」の売上成長が鈍化、「専門店」や「その他」に含まれる、アマゾン、スタートトゥデイなど、ネット通販での売上が堅調。近年はユニクロやしまむら、海外勢ではZARA(スペイン)、GAP(米)、H&M(スウェーデン)といった、商品企画、製造から販売までを手がけるSPA業態が増えつつある。かつて勝ち組とされていたユニクロも伸び悩んでおり、国内での店舗数は増やさず、海外出店にシフトしている。業界全体として先行きは不透明で厳しい環境が続く。

 
生産現場は「脱中国」

 衣料大手は、長らく続いた円高や新興国との人件費の格差から、海外生産に依存してきたが、その後、2012年末から続く円安による原材料高が直撃し、低迷に拍車がかかった。昨今の円高で原材料は安くなったが、中国の成長が鈍化する一方で人件費が高騰し、生産拠点としての魅力が半減。ベトナムやタイでの生産比率を徐々に上げている。

最新トピックス

三陽商会、バーバリー契約切れで業績悪化

 三陽商会の2016年6月中間期の純損益見通しは、15億円の赤字に転落。稼ぎ頭だった英ブランド「バーバリー」の国内ライセンスが15年6月に切れた影響が大きい。15年秋に新たに英ブランドとライセンス契約を交わし「マッキントッシュ ロンドン」を立ち上げたものの、収益の柱になるまではまだ時間がかかりそうだ。今秋、人件費抑制のため、全従業員の2割弱にあたる約250人の早期退職者を募る。

純国産「Jクオリティー」がスタート

 織り・編みから染色、縫製までの工程を国内で手がけた「純国産」の衣料品に認められる「Jクオリティー」の認証制度が2015年にスタート。日本ファッション産業協議会が、日本製商品のブランド価値を高める切り札として設けた。各工程ごとに認証が必要で、コートなどは複数の企業がかかわる。三陽商会、オンワード樫山、ワールド、レナウン、東京スタイルなど、各社はスーツやコートなど高級商品での認証を取得している。

ユニクロ、セブン-イレブンでの商品受け取りを拡大

 ファーストリテイリングの「ユニクロ」は2016年4月、ネット通販で注文した商品をコンビニのセブン-イレブン店頭で受け取れるサービスの対象地域を全国に広げると発表。2月に首都圏の約5700店で始めており、4月に対象を約1万8600店に拡大した。セブンはユニクロ商品の受け取りで顧客の来店機会を増やすねらい。

店舗展開が主力の米アパレルも苦戦続く

 米衣料品大手ラルフローレンが2016年6月、従業員約1000人を削減、50店舗以上を閉鎖するリストラ計画を発表、年200億円前後のコスト削減を見込む。米大手GAPも低価格ブランド「オールドネイビー」を日本市場から撤退させ、全53店舗を17年1月までに閉める。米大手アメリカンアパレルも15年10月に業績不振で経営破綻した。

百貨店が自社ブランドに注力

 三越・伊勢丹、そごう・西武、大丸松坂屋、高島屋など、大手百貨店が婦人向け衣料品のプライベートブランド(PB)の開発・販売に力を入れている。メーカーが厳しい経営環境から生産を絞り、品ぞろえが難しくなり、地方の百貨店などでは売り場が埋まらない事態も起きているためだ。PBは中間マージンが減る分、収益性は高いが、売れなければ在庫のリスクも抱える。

採用の傾向

アパレルメーカーの主な採用職種

 「商品企画」「マーチャンダイザー・バイヤー(アパレル商品の買い付け・管理をする職種)」「商品計画(商品ラインナップを決める職種)」「購買」「生産(※1)」「在庫管理」「販売(※2)」「スーパーバイザー」「広報宣伝」等。

※1:企業によっては、自社生産をせず、OEMメーカーに製造委託する場合も。
※2:特にSPA業態では、販売スタッフの割合が非常に高い。

「店舗で修業」からスタート

 アパレル・ファッション業界では、入社後はまず店舗に配属されることが多く、ファッションセン スはもちろん、顧客とのコミュニケーション能力、アルバイトスタッフなどを統率する能力が問われ る。そこで能力を認められ、マーチャンダイザーや複数の店舗を束ねるスーパーバイザー、おしゃれ 女子のあこがれ職種、プレス(※3)などへの道もひらける。

※3:ファッション業界での広報担当スタッフのこと。正式にはアタッシェ・ドゥ・プレス、略してプレスという。自社商品をマスコミなどに発表するだけでなく、ファッション誌などへの商品の頻繁な貸し出しや、広告タイアップ企画など特有の仕事が多い。

【主要各社の大卒採用計画】
(2017年4月入社、カッコ内は2016年度実績)
ファーストリテイリンググループ(短大・高専・専門学校・高卒含む)/約500(約1000)、ワールド(専修学校含む)/未定(13)、ユナイテッドアローズ(短大・高専・専門学校卒含む)/ 150(180)、しまむら/ 80(61)、オンワードホールディングス(オンワード樫山他5社合計・総合職)/前年並み(106)、三陽商会/未定(13)、ワコール/ 30(29)