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2016年08月25日

採用方法は「麻雀」?部活に全員参加の会社の狙いとは(第33回・後編)

麻雀で見ることができる力とは?

(前編はこちらから)

 さて、就活生参加の麻雀大会、就活生にはどんなメリットがあるのでしょうか。

 スターティアでは内定までに4回の面接があるのですが、大会の優勝者には、いきなり最終面接、つまり、内定リーチが与えられます。2位から5位は3次面接からスタートです。
 でも、なぜ麻雀なのでしょう。人事部長の橋本浩和さんが言います。
 「まず、学生のみなさんのコミュニケーションの力を見ることができます」
 将棋や囲碁では、コミュニケーション能力を見ることはできませんね。
 「麻雀は、学生のみなさんの決断する力を見ることもできます」
 仕事には決断がつきものです。営業でも、企画でも、総務でも。

 「うちの社は、地頭がいい学生さんが、ほしいんです」
 地頭(じあたま)とは、学校の勉強ができるかどうかではなく、本当の頭の良さのことです。知識の多さではなく、論理的思考力やコミュニケーション能力のことです。それを見るのに、麻雀という競技は最適なのだとか。

 橋本さんが、続けます。
「『趣味は麻雀』とか、『雀荘でバイト』とか、履歴書には書きにくいと思います。だったら、その書きにくさを解放してあげよう、なんてね」

 新卒の採用者数は、毎年45人をめどにしているとか。麻雀大会経由で数人採用できれば、と考えているそうです。

「麻雀を経由しない通常ルートの面接も、しっかり行います。学歴ではなく、地頭の強さが選考の基準ですから、われこそはと思う学生さん、大歓迎です」
 麻雀採用は、年に2回のペースでつづける予定だとか。

麻雀以外にも就活イベントを

 この6月にあった麻雀大会に、会社側のひとりとして参加した両角(もろずみ)賢人さん(26)は、専修大卒で2015年春の入社。東証一部上場という安定性と、ベンチャー性という二面性にひかれたのだとか。営業の仕事をしていますが、数字をあげていくと、いろいろなチャンスをくれる会社だと、やりがいを感じているそうです。
(写真右が両角さん、左が橋本浩和人事部長)
 両角さんの趣味は麻雀でした。大学近くの雀荘に通っていました。会社での部活も麻雀部です。就活生と雀卓を囲むと、その学生は地頭がいいかどうか分かるのだそうです。「この学生さんは輝くな、と分かるんですね」
 人事部長の橋本さんは、ニヤリとします。
「麻雀大会をつづけるだけでなく、2018年春の採用を視野にいれた、おもしろい就活イベントも考えていきます」

 就活するみなさんの中には、「面接なんかで自分の良さを理解できるわけがない」と思っている方がいるかもしれません。そのとおりです。けれど、「その良さを引き出して採用したい」と知恵をしぼっている会社もあるんですよ。

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