2014年11月21日

内定率アップも油断禁物!「内定ゼロ」にならないために

テーマ:就活

ニュースのポイント

 来春卒業予定の大学生の就職内定率が4年連続でアップしました。3年生のみなさんは、大手企業にいくつも通った「内定長者」の先輩の話を聞いていると思います。でも油断は禁物です。「内定ゼロ」の先輩もたくさんいて、学生の「二極化」が進んでいると言われています。

 今日取り上げるのは、教育面(34面)の「大学生内定率68.4% 4年連続回復/女子が男子を上回る」です。
 記事の内容は――文部科学省が14日に発表した来春卒業予定の大学生の就職内定率(10月1日現在)は68.4%で、最低だった2010年度から4年連続で回復した。リーマン・ショック前の2008年(69.9%)には及ばないものの、徐々に近づきつつある。男女別では女子が69.4%、男子が67.6%だった。文科省の担当者は「女子は留学の意欲が高く、グローバル人材を求める傾向がある最近の企業の採用につながりやすい」と話している。卒業者のうち就職を希望する割合は78.7%で過去最高。進学よりも就職を求める傾向が進んでいる。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 いま2014年9月中間決算が日々発表されていますが、輸出や海外で稼ぐ大企業を中心に過去最高益を記録する会社が続々出ています。就活生には朗報です。企業の採用意欲は増し来年度の採用数を増やすところが多いですし、「売り手市場」が鮮明になってきました。「売り手」とは学生のみなさんのこと。リーマン・ショック後に続いた企業が圧倒的に優位だった「買い手市場」のときとは大違い。一人でいくつも重複内定を得る学生が多いため、今年は内定辞退が急増しました。

 でも喜んでばかりはいられません。一方で、こうした「内定長者」と、いくつ受けても通らない「内定ゼロ」学生の「二極化」が進んだのが今年の就活の特徴です。大学のキャリアセンターでは「積極的な学生と熱心ではない学生の差が目立つ」との声をよく聞きます。早めに就活を意識し準備を始めた学生は早めに内定を得たが、就活スタートで慌てて始めた学生は準備が間に合わず、いくつ受けても通らない悪循環に陥ったのです。

 頼みの経済の先行きも不透明になってきました。今年4月に消費税が8%に上がってから景気は落ち込んでおり、国内総生産(GDP)は4~6月、7~9月と2期連続のマイナス成長。10%への再増税も先送りされました。2008年のリーマン・ショック後、世界同時不況になり日本の就活が「超氷河期」に陥ったように、世界のどこかで起きた出来事が私たちの暮らしを直撃する時代です。一寸先はわかりません。

 そんななか来年の就活で「内定ゼロ」にならないためにはどうしたらいいのか。「今年の3年生は全体的にのんびりしすぎ」というのが多くのキャリアセンターの嘆きです。今の3年生は就活解禁が2015年3月からに後ろ倒しになったので無理もないのですが、今このコーナーを読んでいるみなさんは気持ちを切り替えてください。経団連の指針では採用選考の本番は「2015年8月から」ですが、多くの企業が春から事実上の選考をスタートするとも言われています。まずは、この「今日の朝刊」に毎日目を通すとともに、「就活体験レポート」「教えて!先輩」のコーナーを読みましょう。先輩の実体験はきっと参考になります。できることから実践してください。加えて、市販の「業界地図」などで業界研究を今年中に進めておくことをお勧めします。

 できるなら冬のインターンシップに参加しましょう。今年は実施企業が増えています。エントリーシートの添削や模擬面接を体験したい人、または何から始めたらわからない人は、セミナーなどを受けてみるのもいいかもしれません。有料の就活講座「朝日学生キャリア塾」もお勧めです。いま東京、大阪で開催する12月コースの申し込みを受け付け中です(下記に入口)。

 最後に、思うような結果を得られず就活を続けている4年生のみなさんへ。今は「売り手市場」ですから、採用計画に満たずに募集を続けている会社がたくさんあります。大学のキャリアセンターには例年より多くの求人が来ています。「あさがくナビ」の就活イベント「就職博」はこれからも東京、大阪、名古屋、京都で開催。多くの企業が参加します。このイベント、東京では例年より長く、来年2月まで毎月開きます。就活は「あきらめない!」が大切です。

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