2014年11月17日

ニュース★あらもーど(11月10日~16日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 みなさんは「白書」という言葉を知っていますか?

 人気コミック原作でドラマ化もされた「あすなろ白書」など、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
 ちなみに「白書」とは政府の各省庁が、関連する行政活動の現状や対策、展望などを国民に知らせるための報告書のことです。もとは、英国政府の報告書が白い表紙を使っていたことから“ホワイトペーパー”と呼ばれていたのをならって、日本語でも「白書」と呼ばれるようになりました。

 私が気になった白書は、14日に法務省が発表した「犯罪白書」です。「刑期を終える前に仮釈放された人より、満期で出所した人のほうが、再び罪を犯す可能性が高い」という報告がありました。

 理由はなぜか、わかりますか? 住む場所や面倒をみてくれる人がいることが条件の仮釈放と違って、満期だと、生活を支えてくれる人の有無は関係ありません。そのため、出所後の仕事も見つかりにくく、再犯につながりやすいというのです。

 人と人との支え合いがいかに大切か、特異な事例ではありますが、改めて実感させられるニュースでした。

 毎週月曜は、一週間を振り返って気になった話題をピックアップする「ニュース★あらもーど」をお届けします。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(副編集長・奥村 晶)

ニュースダイジェスト

★【日中首脳会談】2年半ぶりに会談実現 戦略的互恵関係を確認(11/10.Mon) 

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)で北京を訪問中の安倍晋三首相が、中国の習近平(シーチーピン)国家主席と人民大会堂で約25分間、会談した。両首脳は、両国が一致できる点について利益を共有する「戦略的互恵関係」に基づき、関係改善に向け、歩み寄る方針を確認した。歴史認識や尖閣諸島をめぐる対立の構図は変わっていない。

 日中首脳会談は2012年5月に民主党政権の野田佳彦首相と温家宝(ウェンチアパオ)首相が会談して以来約2年半ぶりで、第2次安倍内閣では初めて。国家主席との会談は11年末以来約3年ぶり。

 それを受けて、13日には韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が、日中韓首脳会談の開催を希望する意向を表明している。

★【TPP】首脳声明、合意時期盛り込めず 米国の動き焦点に(11/10.Mon)

 日米など12カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)の首脳会合が北京で開かれたが、協定の合意時期は盛り込めず、次の閣僚会合の予定も示されなかったことなどから、年内合意の可能性はほぼ消えた。目標にしていた全体の合意時期が先送りされたのは4年連続。各国は4日に中間選挙を終えたオバマ政権の出方に注目している。

 2015年半ば以降はアメリカ大統領選が本格化し、よりTPPについての米議会内での合意形成が難しくなると予測されるため、2015年春ごろが、交渉の漂流を避ける事実上の合意期限という見方も出ている。

★【アルツハイマー】発症前に血液判定、国立長寿研など発見(11/11.Tue)

 アルツハイマー病を発症する前に、原因物質が脳内に蓄積しているかを数滴の血液で判定する方法を、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)や島津製作所(京都市)の研究チームが発見し、日本学士院の学術誌電子版に論文を発表した。ノーベル化学賞を受けた同社の田中耕一・シニアフェローの技術を応用した。早期診断や治療薬の開発に役立てたいとしている。

 アルツハイマー病の原因物質のアミロイドベータは、軽度の認知障害などの症状が出る15~20年前から脳内で蓄積が始まるとされる。
 研究チームの開発した手法では、血液約0.5ml(数滴分)でアミロイドベータに関連する2種類のたんぱく質の量を比較。9割以上の精度でアミロイドベータの蓄積の有無を判定できた。ただ、アミロイドベータが蓄積しても認知障害を発症しない場合もあり、実用化にはさらに検証が必要だ。

★【消費税】10%への増税、先送りへ 2017年4月を想定、民主も容認(11/14.Fri)

 2015年10月に予定されている消費税の税率10%への再引き上げが1年半先送りされる方向になった。首相官邸は関係省庁に消費税率引き上げを1年半延期にし、2017年4月からとする方向で準備をするよう指示。自民、公明両党とともに消費増税を主導した民主党も、増税先送りを容認した。円安や、増税先送りへの期待から同日の東京株式市場では買いが優勢となり、終値として今年最高値の1万7490円83銭で取引を終えた。

 民主、自民、公明3党が2012年に消費増税に合意した際は、増税をやめる景気の状況について「リーマン・ショック並みの経済危機」を想定していた。現在の景気状況で増税を先送りすることは3党が合意したときの想定とは異なり、事実上3党合意は棚上げされた形となる。

★【沖縄知事選】辺野古移設阻止主張の翁長氏が初当選(11/16.Sun)

 沖縄県知事選が投開票され、前那覇市長の翁長雄志(おながたけし)氏(64)が、現職の仲井真弘多(なかいまひろかず)氏(75)=自民、次世代推薦=ら3氏を破り、初当選を決めた。最大の争点だった米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題で、翁長氏は「移設阻止」を主張。翁長氏の得票率は50%を超え、県民が移設反対を明確に突きつける形となった。投票率は前回より3.25ポイント高い64.13%だった。
 
 日米両政府が普天間返還に合意した1996年以降5回の知事選で、辺野古移設反対を掲げる候補の勝利は初めて。安倍政権は結果にかかわらず移設作業を進める姿勢だが、翁長氏は当選を受けて「日本の民主主義のあり方が問われる」と、政府に地元の民意をくむよう求めた。

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