2014年10月31日

世界シェア7割の小さな会社 ニッチなトップ企業はこう探せ!

テーマ:経済

ニュースのポイント

 水族館の水槽で世界シェア7割を占めるのは香川県にある小さな会社です。日本には、特定の分野でシェアや技術が世界トップレベルという会社がたくさんあります。就活では有名大企業ばかりに目が行きがちですが、「小さな世界企業」にも目を向けてみましょう。経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」が参考になります。

 今日取り上げるのは、経済面(8面)の「地域発企業発/香川の日プラ/うどんヒント 水槽の技/世界一の巨大アクリルパネル」です。
 記事の内容は――マカオ対岸の海洋テーマパークにある幅40メートル、高さ8.3メートルの巨大水槽がギネス世界記録に認定された。作ったのは香川県三木町のアクリルパネルメーカー「日プラ」。世界の水族館の巨大水槽の大半は、この会社で作られている。継ぎ目のない見栄えと何万トンもの水の圧力に耐える強さを両立させる独自の技術で、水族館用水槽では世界で7割のシェアを誇る。国内外の水族館や動物園で、水槽の設置や補修工事を手がけたのは主なものだけでも300以上。強みは、厚さ数センチのパネルを十数枚重ねて接着し、強度と透明度を両立する技術だ。讃岐名物のうどんをヒントに、弾力がうどんに似たシリコーンチューブを使っている。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 水族館は好きですか? 私は、沖縄県の「美ら海(ちゅらうみ)水族館」の巨大水槽を初めて見たときの驚きを覚えています。大きくて柱が1本もない水槽で、大きなジンベイザメやマンタが悠々と泳いでいました。幅22.5メートル、高さ8.2メートル、厚さ60センチで当時世界一でしたが、記事に登場する中国の水族館の水槽は倍近い大きさです。

 この水槽をつくっている日プラは社員90人ほどの小さな会社ですが、水族館の世界では「超有名企業」です。日プラのアクリルパネルは60センチを超える厚みでも透明度を保ち、魚がゆがんで見えることもありません。巨大水槽の場合、水族館の建設現場で厚さ数センチのパネルを十数枚重ねて接着します。パネルの接着から現地での設置まで一貫して社員が行うため、すべての工程を1人でこなせる人材の育成に力を入れているそうです。同社の敷山靖洋専務は以前、朝日新聞のインタビューに「社員に共通するのは『ものづくりが好きで負けず嫌い』。自分らの手でつくった物で客を満足させ、驚かせようという気持ちがある。これが会社を支えている」と語りました。記事に登場する敷山哲洋社長の「水族館に行ったら、パネルをよく見てほしい。ひびがあったら、日プラの水槽ではない」という言葉とともに、ものづくりへの誇りと自信が伝わってきます。

 日本には386万もの会社があり、その99.7%が中堅・中小企業です。中には日プラのような「小さな世界企業」もありますが、どうやって探したらいいのでしょうか。話題の企業は今日の記事のように新聞やテレビで紹介されることがありますが、まとめて見ることができるのは経済産業省が今年初めて発表した「グローバルニッチトップ企業100選」です。国際市場の開拓に取り組んでいる企業のうち、ニッチな分野で高いシェアを確保している企業を100社選んだもので、日プラも入っています。選定基準は「①世界シェアと利益の両立 ②独創性と自立性 ③代替リスクへの対処 ④世界シェアの持続性等」だそうです。

 お役所のお墨付きのリストですから、まずはこの100社から興味を持てそうな企業を探してみましょう。ほかにも、就活ニュースペーパーの「中島隆の輝く中小企業を探して」のコーナーでは、毎回、熱い中小企業を紹介しています。こちらも会社探しに活用してください。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができ、過去1年分の記事の検索もできます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別