2014年08月06日

被爆69年 核兵器どうする?どうなる?

テーマ:社会

ニュースのポイント

 広島への原爆投下から6日で69年。今日の朝刊には、被爆、原爆、核兵器に関する記事がたくさん載っています。広島・長崎で何が起きたのか、そして核兵器の現状を知りましょう。朝日新聞デジタルでは「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」として1600人以上の声を紹介しています。下の「記事はこちら」から読んでみてください。

 今日取り上げるのは、1面トップの「どんな状況でも核兵器にノーを/原爆詩 朗読続ける吉永小百合さん/『さよなら原発』声にしていく/きょう広島原爆69年」です。社会面(36面)にはインタビューの詳報が、オピニオン面(14面)には「社説/被爆69年の夏に/核兵器の違法化・禁止を」が載っています。
 記事の内容は――原爆詩の朗読を続ける俳優の吉永小百合さん(69)が朝日新聞のインタビューに応じた。吉永さんは「日本人だけはずっと、未来永劫(えいごう)、核に対してアレルギーを持ってほしい」と求めた。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

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 吉永さんは言います。「どういう形にせよ、核の傘に入っているにせよ、あれだけひどい広島、長崎の原爆被害があったんだから、それをみんなしっかり勉強して、どんな状況でも核兵器はノーと言ってほしい」。集団的自衛権の行使容認など今の世の中については「政治が悪いから、と言っている段階ではない気がします。一人一人の権利を大事にし、しっかり考え、自分はどう思うのかを語らなければいけない」と語りました。日系アメリカ人監督のドキュメンタリーで、渋谷の女子学生が1945年8月6日について聞かれて「えー、知らない、地震?」と答えたことを「鳥肌が立つほど悲しかった。みんながあのときの痛みを分かろうとしないといけないと思います」とも。一貫して、知ること、勉強すること、考えること、伝えていくことの大切さを語っています。

 今日の社説は、芸術家オノ・ヨーコさんの言葉「リメンバー ヒロシマ・ナガサキ」を紹介しています。被爆国日本から世界に発信し、ノーモアと言う前に世界の人々に原爆の悲惨さを知ってほしい、思い起こしてほしい。だから、「リメンバー」なのだそうです。

 世界の核兵器の現状については、右の図を見てください。オバマ米大統領が「核兵器のない世界」の実現を世界に呼びかけたプラハ演説から5年。核テロ防止策では一定の成果がありましたが、ウクライナ情勢での米ロの関係悪化もあり核軍縮は停滞し、世界にはなお約1万7000発の核兵器が存在します。ほかにも核兵器については「人道に反する兵器であることを根拠に、核兵器を禁止できないか」という動きが盛んになっており、今年2月にメキシコで開かれた国際会議には146カ国が参加しました。会議では、広島・長崎の被爆者が悲惨な体験を語り、各国代表の共感を呼びました。

 ただ、自らの戦争体験を語れる人は確実に減っていきます。そんななか朝日新聞社は「広島・長崎の記憶~被爆者からのメッセージ」のほか、被爆者の体験談や原爆被害を学ぶQ&Aなどで構成する無料の教育特集紙面「知る原爆」を発行しました。朝日新聞や朝日小学生新聞の過去の記事をもとに、小中学生向けにやさしく書いたものですが、広島、長崎の原爆被害について知るには格好の教材で、学校での平和教育や修学旅行で活用されています。たとえばQ&Aでは、原爆とはどういうものか、どうして日本に落とされたのか、爆風の被害、放射能の被害、何人が殺されたのか、「黒い雨」って何か――などについて答えています。朝日新聞デジタルでも紙面をそのまま読むことができます。下のリンク先を開いてみてください。

 広島・長崎で起きたことを知ったうえで、今の世界の動きにも注目し、核兵器について考えてください。

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