2014年05月28日

「大学で働く」という選択肢

テーマ:教育

ニュースのポイント

 大学職員が就職先として人気だそうです。学生にとっては一番近くにいる社会人ですが、ふだんあまり意識していない人も多いのではないでしょうか。みなさんからは見えない苦労もたくさんあるようです。大学職員という職業から、仕事について考えてみましょう。

 今日取り上げるのは、教育面(35面)の「学びを語る/大学職員の役割/求められる教育支援・企画力/桜美林大大学院教授 高橋真義さん」です。
 記事の内容は――最近、就職先として大学職員の人気が急上昇している。安定していて給料もそれなりに高い。企業より仕事が楽だと思われているのか、民間からの転職も目立つ。競争倍率は数百倍から1000倍にもなる。ただ、この10年で職員の役割は大きく変わった。書類作成や会計処理、留学生の生活サポート、精神面の不調を訴える学生の増加とその対応……。業務量は間違いなく増えている。教員と役割分担しながら、大学の主役である学生の可能性を引き出す必要がある。これからの大学職員には、大局的な視点に基づいた教育支援力と企画力が問われている。プロとして担うべき責務は限りなく大きい。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 高橋さんはスポーツに例えて「学生が選手、コーチが教員(教授や講師)」と表現しています。そうだとすると、「競技場の運営や手入れから資金集めまで考えなければいけない」職員は、運動部の部長兼マネジャーのようなものでしょうか。どちらかといえば「裏方」や「縁の下の力持ち」的な仕事だと思いますが、社会に巣立つ前の若者を育て、さまざまな面からサポートするわけですから、社会的な意義はとても大きな仕事ですね。いま大学は大きな変革期にありますし、大学間の競争も激しくなっていますから、やりがいも忙しさもさらに増すかもしれません。

 ただし、高橋さんが「志願者の母校以外でまともに就職のチャンスがあるのは、東大、京大、早稲田大、慶応大、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)などの大規模な有名国立・私立大20校だけ」「多くの大学が退職者の補充を行っておらず」と言うように、狭き門です。でも採用選考はこれからという大学もあると思います。興味のある人は、まずは自分の大学から調べてみましょう。

 大学職員志望ではない人も、ぜひ職員に仕事の話を聞いてみてください。みなさんは入学してから、教務部など様々な部署の職員のお世話になってきたと思います。今はキャリアセンターや就職課に出入りする機会が多いでしょう。みなさんにとっては日常的に接する一番近い社会人です。ふつうの営利企業とは違う面もあるでしょうが、仕事の内容ややりがいなど、共通するところも多いはず。民間企業から転職してきた人もいます。職員をつかまえて「どうして大学職員を目指したのですか」と尋ねてみましょう。仕事選び、志望動機、どんな就活をしたのか……。きっと参考になる話が聞けますよ。

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