2014年04月23日

【GD対策】入学式に担任欠席 賛否真っ二つ

テーマ:教育

ニュースのポイント

 埼玉の県立高校で新入生の担任教諭4人が入学式を欠席し、自分の子の入学式に出席していたことがわかり、ネットやテレビで議論が沸騰しています。先生の職業倫理に反するのか。教師にもワークライフバランスを認めて当然か。賛否は真っ二つ。あなたはどう考えますか? 昨日に続いてグループディスカッション(GD)対策です。

 今日取り上げるのは、社会面(39面)の「担任が出席すべき入学式は/我が子か 教え子か」です。
 記事の内容は――4人はそれぞれ別の勤務先の入学式を欠席し、自分の子どもの小中高校の入学式に出席した。いずれも事前に校長に相談して有給休暇を認められており、手続き上は問題なかった。教諭が欠席した入学式に出た埼玉県議がフェイスブックに「簡単に職場を放棄する態度には憤りを感じざるを得ません」と書き込んだことから地元紙が報道。記事が「Yahoo!ニュース」にアップされて拡散した。同サイトの意識調査のページでは、22日夕までに35万票近い投票があり、「問題だと思わない」48%、「問題だと思う」44%で、擁護派と批判派が拮抗(きっこう)している。テレビの情報番組や週刊誌で批判派の先頭に立った〝尾木ママ〟こと教育評論家の尾木直樹さんは、高校の入学式で生徒の表情を見て「心のケア」をするのは教師の務めだと説く。ワークライフバランスの観点から「有休をとるのに理由はいらない」と、教師だからと「仕事優先」を求めることに疑問の声もあがる。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 19日の朝日新聞の読者投稿欄「声」(オピニオン面)にも、「入学式欠席の高校教諭に疑問」という批判意見と、「教員の事情も考慮して論議を」と擁護論が載りました。どちらが正解とは言いづらく、なかなか難しい問題ですね。でも、こうした正解のないテーマこそがGDのお題になります。なぜでしょうか。結論がはっきりしているテーマよりも、いろんな見方や意見が出やすく議論が活発になるからです。「人事のホンネ」でジェーティービーの木村希さんは「いい結論を見いだすというより、コミュニケーションの取り方や所作を見ている」と言いました。正解や結論を求めるのではなく、議論の過程を見て、コミュニケーション能力を判断するわけです。

 GDで見るポイントについて、ベネッセコーポレーションの澤和宏さんは「コミュニケーション能力」に加えて「論理的思考力」をあげ、こう話していました。
 「人の話をきちんと聞いて、自分の考えを論理的に伝える。論理的でないことを思い込みや感情だけで一方的に話したりしたらダメですし、目立ちたいだけでもダメです。お互いが何を話しているのか、何が論点なのかをしっかり把握したうえで、自分はこう考えると言うことが大事です」

 論理的に考えるには、論点を整理する必要があります。今日の問題について、尾木ママはブログで擁護派(賛成)と批判派(反対)の意見を以下のようにまとめています。

【賛成】
①わが子の方が大事なのは当然(教師である前にひとりの人間であり、親だから)
②有給休暇取得は労働者の権利(教師は滅私奉公が当然⁉有休も使えないんじゃブラック企業と同じ⁉)
③許可した学校(長)の管理責任であって担任は悪くない(無断欠勤したわけじゃない、許可した方の問題)

【反対】
①教師は教育公務員であり、聖職で専門性が高い
②職業倫理に反する→プロフェッショナルのあり方
③「1年生の担任」であることの責任→入学式が持つ意味や重み

 多くの論点がありますね。自分ならどの視点から論じるか考えてみてください。また議論が行き詰まったり、堂々巡りになったりしたときには、問題の背景やそもそも論など賛否以外の視点から論じると、新たな議論が展開できますよ。

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