2013年12月06日

サークルの「役職」でなく、どんな経験をして何を得たかを語れ

テーマ:就活

ニュースのポイント

 学生から提出されたエントリーシートをめくっていくと、「学生時代に取り組んだこと」欄に、サークルや部活動の「代表」「副部長」「幹事長」……といった肩書が次から次に登場します。面接でも同じです。肩書が重要なのではありません。どのような活動をし、何を感じ、どう成長したのかを書き、語ってください。

 今日取り上げるのは、生活面(33面)の「職場のホ・ン・ネ/学生時代の『役職』に違和感」です。
 この記事は、バイク買い取り販売会社の採用担当をしている30代の男性からの投稿です――会社の採用面接で、8割以上の学生がサークルやゼミの副代表といった役職を話題にする。よく聞いてみると「飲み会の幹事」程度のことも少なくない。「サークルやゼミで学んだこと、考えたことを聞き、学生の志向や価値観が自社にあうか知りたい」のに、役職を強調されるとかえって判断ができない。就活のマニュアル化の弊害が年々ひどくなっている。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 就活の時期になると、サークルの「副代表」がキャンパスで急増するなどと言われます。「代表」を名乗るのはちょっと気が引けるが、「副」くらいならいいだろうということでしょうか。
 でも企業の採用選考では、肩書そのものに価値があるわけではありません。大事なのは中身です。サークルやゼミの代表や副幹事長をしたのなら、メンバーをまとめ、方針を決め、みんなをリードするときに、さまざまな苦労があったでしょう。それを乗り越えるために、メンバーの意見を聞き、話し合い、考え、率先して動くなど、工夫したはずです。あなたが何を考え、何をして、どうやって苦難を乗り越え、そこから何を学び、どう成長したのか。書くべき、話すべき中身はたくさんあるはずです。企業が聞きたいのはそういうことです。
 「留学」経験や、スポーツで「県大会○位」といった成績も同じこと。結果や成果が大事なのではなく、そこに至る過程とそこから得たものを伝えてください。

 「人事のホンネ」でインタビューした各企業の人事・採用担当者の声をいくつか紹介します。自分の経験に照らして、よーく考えてください。
■「語学目的」の留学を挙げる人は多いですが、就活目的でESに書くためだけであれば、非常にもったいない。せっかく時間と労力とお金をかけて、別の土地へ行ってきたのだから、「留学」と書くだけではなく、そこから何を感じ、何をつかんできたのか書いて欲しい。留学で何かを見てきれいだった、面白かっただけでは足りないんです。活動への主体性など、何かつかんできた子は面白いですね。(凸版印刷人事部の萩原正敏さん)※本日オープン予定
■素のその人が見えるESがいい。「こんなことやりました」という中にも、その時の感情がしっかり伝わってくるES。悔しかった、嬉しかっただけでなく、どれくらい悔しかったか、どれくらい嬉しかったかが分かると良いですね。我々が読んで、この人の話を聞いてみたいと思えるかどうか。地区大会で何位だったとか、事実だけを書いてくる人はとても多いが、それだけだと何も伝わって来ません。そこに込めていた思い、その結果感じた感情などをしっかり書ける人は自己表現が上手だし、共感できるし、会ってみたいなと思います。(住友生命人事部の香山真さん)
■昔に比べて1カ月の短期海外留学やボランティア活動をしたことがある学生が増えました。就活に有利だと教えられるのでしょうか。そういう経験は、した方がいいと思いますが、履き違えてほしくないのは、「行ったこと」が大事なのではないということ。「行って何を感じて、それが自分の生き様にどう影響したのか」を考えてほしい。どうしても学生はやってきた経験の大きさばかりに意識がいくことが多いのかなと。(三井物産人事総務部の中野真寿さん)

 生活面では、就活にどう向き合うべきかを識者に聞く「就活する君へ」が今日から始まりました。こちらもぜひ読んでください。

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