2013年10月15日

【号外】「永遠の0」作者に学ぶ 映像が浮かぶES

テーマ:就活

ニュースのポイント

 12月公開予定の映画「永遠の0(ゼロ)」の原作者、百田尚樹(ひゃくた・なおき)さんは、小説の読者の頭の中に映像を思い浮かばせることを意識して文章を紡ぐそうです。よいエントリーシート(ES)も同じです。読み手が映像を思い浮かべることができる「伝わるES」をめざしてください。

 今日は朝刊の発行がお休みのため、13日付の「語彙・読解力検定」特集面(35面)の「語り継ぐ 心に届ける」を取り上げます。
 記事の内容は――百田さんは、若い世代に戦争を語り継ぐつもりで、「永遠の0」を書いた。映画に主演した岡田准一さんと百田さんに、「人の心に届く言葉」について語ってもらった。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 百田さんの言葉には、これからみなさんがESを書くときのヒントが詰まっています。
◆「文章は、読者を小説の世界に引きずり込み、夢中にさせるための道具です。『読みやすくてわかりやすいもの』が良い文章だと考えています」 → みなさんがESに書く文章は、企業の採用担当者や面接官をあなたの世界に引き込むための道具です。百田さんの小説を読んだことがある人は感じたと思いますが、とても平易な飾らない文章ですよね。ESも、格好をつけたり、難しい言葉を使ったりすると、むしろ逆効果です。「読みやすくてわかりやすい文章」をめざしてください。
◆「僕の小説は映像的だと言われます。……テレビの世界に30年いて、放送作家として書き続けてきた経験が大きい」「読者の頭の中に映像を浮かばせないと気がすまない癖が、染みついているのです」 → 「自己PR」や「学生時代に打ち込んだこと」を読むと、映像が浮かんでくるESがあります。ゼミやサークル、アルバイトでの書き手の活躍ぶりが生き生きと目に浮かぶ。これぞ「伝わるES」。こんなESが書ければ勝ちです。面接官は、ESに書かれている出来事から、その学生が仕事をしている姿や、困難に直面したときにどう対応するのか、などを想像するのです。

 映像が浮かぶように書くにはどうしたらいいのでしょう。けっして難しいことではありません。「行動力がある」「責任感が強い」「粘り強い」といった抽象的な言葉をいくら連ねても、映像は浮かびませんよね。行動力や責任感を裏付ける出来事や体験談を書くのです。自分の役割やそのときの状況、どんな苦労をどう工夫して乗り越えたか、その経験から何を学び、どう考え成長したのか、周りの人からどう評価されたか――などをできるだけ具体的に。自分の体験は記憶の中に映像として残っていると思います。その映像を、読み手を意識しながら文章にしてみましょう。必ず誰かに読んでもらい、わかりやすく伝わるかどうか確認してください。ただ、ESのスペースには限りがあり、小説のようにこと細かには書けません。一度長めに書いてから削りましょう。

 言葉の力を測る「語彙・読解力検定」の申し込み締め切りが、今週末に迫っています。採用試験で優遇する企業が増えています。申し込みと詳しい情報は以下の公式ホームページをご覧ください。このページの右下に検定料がお得な「語彙・読解力(2級)検定受検」のバナーもあります。ぜひ申し込んで、受検日まで新聞で言葉の力を鍛えましょう。

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