2013年10月04日

就業体験や面接で会社を見極めよう

テーマ:就活

ニュースのポイント

 採用選考の中に職業体験を組み込む企業があります。入社後3年以内に3割の人が辞めてしまうなか、学生にとっても企業にとっても、入社後のミスマッチを防ぐのに役立ちます。こうした選考を行う企業はまだ多くはありませんが、通常の面接も、学生が企業を見極める絶好の機会です。受け身ではなく、この会社を知ろうという姿勢で選考に臨むことが大切です。

 今日取り上げるのは、教育面(35面)の「試して納得の就職/選考段階の職業体験 広がる/企業、人間性見る/学生、イメージ湧く」です。
 記事の内容は――就活シーズン前に行われるインターンシップに加え、企業側が採用選考の過程で就業体験の機会を提供し、学生と仕事のミスマッチを減らそうとする動きが広がっている。鹿児島県の花き生産販売会社「日野洋蘭園」は、学生の適性を見極めるため10年以上前に選考段階の就業体験を始めた。期間は通常1週間で、書類選考や面接兼説明会を通った学生に施設管理や出荷などの日常業務体験を課す。「何日か一緒にいれば短い面接時間では分からない人間性が見えるし、植物と向き合う波長が分かる」(柴崎喜好社長)。全国で介護サービス事業などを展開する「ベネッセスタイルケア」(東京都渋谷区)は、昨年度から新卒向けの説明会兼1次選考会を「体感型」に変えた。老人ホームの入居者支援も想定したグループワークに取り組む。仕事の本質とやりがいを伝えたことで、前年に比べ入社前の辞退者が半減したという。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 就業体験は、会社や仕事を知るための貴重な機会で、採用選考の一つの理想型といえます。朝日新聞社も、数年前まで記者部門の採用試験で取材・執筆を含む1日がかりの選考をしていました。学生からは「取材体験を含めて、これだけ丁寧に選考してもらえれば満足です」という声をよく聞きました。ただ、こうした選考は手間ひまがかかります。多くの企業は優秀な学生を他社よりも早く確保しようとしのぎを削っていますから、一気に広がる状況ではありません。

 それでも、面接などの一般的な選考からも会社を知ることができます。どの企業の選考でも複数回の面接があり、その間に最低でも5~6人、多ければ10人以上の社員と話をするわけです。面接ではたくさんの質問が飛んできます。質問の内容、社員の態度、人となりからも、仕事のやりがいや厳しさ、社風といったものを感じとることができるかもしれません。

 「教えて!編集長」コーナーにある「人事のホンネ」第2回に登場したテレビ朝日の担当者は「面接の基本は、会って話をして、どんな人かを判断することです。同時に学生にとっても、どんな会社かを判断する機会です。我々は学生がどういう人か知りたいし、きっと学生も我々のことを知りたいと思っている。お互いを知る、話し合ってお互い見合うのが面接です。スペックだけで採用するなら面接なんてやる必要がない。内定者も『選考でいろんな社員と話せてよかった』と言います」と語っています。

 「人事のホンネ 第3回 ベネッセコーポレーション」も掲載しました。同社では「逆面接」という手法をとることがあるそうです。30分ほど学生から会社についての質問を受けて社員が答えるユニークな形式です。学生の好奇心や意欲を見るのですが、会社について深く知るチャンスでもあります。今回のインタビューも、人事担当者の本音満載です。ぜひご覧ください。

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