2013年08月29日

人口減少社会を考えよう

テーマ:社会

ニュースのポイント

 日本人の総人口は約1億2639万人で4年連続の人口減となり、いよいよ「人口減少社会」が本格化してきました。少子高齢化で社会保障は維持できるのか、労働力の確保はどうするのか、これまで同様の経済成長をめざすのか、結婚、出産、移民受け入れ……、人口減少をもとに考えるべきテーマは山ほどあります。企業も人口が減る中でどう成長していくのか模索しています。

 今日取り上げるのは、1面トップの「人口減、最多26万人/住民台帳 生産年齢は8千万人割れ」です。
 記事の内容は――総務省は今年3月末時点の住民基本台帳に基づく日本人の総人口が1億2639万3679人だったと発表した。前年から26万6004人減って4年連続減。減少幅は1968年の調査開始以降最大だった。昨年生まれたのは102万9433人と過去最少。亡くなったのは125万5551人。年齢層別にみると、65歳以上の人口の割合が24.4%と過去最高だった一方、15~64歳の生産年齢人口は7895万人と初めて8000万人を割った。人口に占める割合も過去最少の62.47%。2003年は生産年齢人口3.56人で1人の高齢者を支える社会構造だったが、10年間で2.56人で1人を支える構造に変わった。人口減と少子高齢化の傾向がいっそう鮮明になり、社会保障費負担や労働力確保をめぐる議論などに影響しそうだ。

(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 「日本の人口は約1億2700万人」と覚えている人も多いと思いますが、今後数年は1億2600万人が近い数字となり、すぐに1億2500万人時代がやってきます。人口が増えて経済が成長している間は、どう富を分配するかを考えればいいので、あまりあつれきは生じません。しかし人口減少は、少子高齢化によって人口ピラミッドが崩れた結果として起きているため、社会にさまざまなひずみを引き起こします。

 記事にあるように、お年寄りを支える人の数が減るので、今までのままでは年金・医療・介護といった社会保障制度を維持できません。維持するには、消費税などの増税、年金などの給付の抑制、高齢者の自己負担を増やすといった制度改革をしなければなりません。生産年齢人口、つまり労働力が減っていくので、ほうっておけば経済成長するのは難しくなります。働き手を増やすには、外国人労働者をもっと受け入れる、女性が出産後も働きやすい環境を整え女性の労働力を確保する、定年を延長してシニア層にもっと働いてもらう、などが考えられます。

 根本的には少子高齢化に歯止めをかけないと、人口減少は止まらないのですが、そのためにはどうしたらいいのか。一方で、もう経済成長にこだわらず、成長しなくても幸せを実感できる新しい暮らしや価値観を求めるべきだ、という考え方もあるでしょう。

 人口が減っていく日本の将来を考えることは、みなさんの将来を考えることです。さらに志望する業界、企業が、人口減少、少子高齢化社会でどうしたら生き残っていけるのか、どんな戦略を描き、どう利益を出していくのか、企業のホームページなどを参考に考えてみましょう。

※朝日新聞デジタルの無料会員は1日3本の記事全文を、有料会員になればすべての記事を読むことができます。ぜひ登録してください。

アーカイブ

テーマ別

月別