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2017年03月02日

トランプ大統領の経済政策、面接で意見言える?

テーマ:国際

ニュースのポイント

 トランプ米大統領が、議会上下両院の合同会議で初めての施政方針演説をしました。これまでの主張通り、道路などのインフラに1兆ドルを投資するとか、法人税や所得税を減税するとか、オバマ前大統領がおこなった医療保険制度改革(オバマケア)を撤廃するとか、メキシコ国境で壁の建設を始めるとか、国防費を大幅に増やすなどの政策を話しました。どれも目先のアメリカの景気にはプラスに働きそうなので、ニューヨークや東京の株価は上がりました。ただ、政策を実現するためのお金は借金に頼ることになりそうです。長い目で見れば、アメリカのためになるかどうか分かりません。日本経済はアメリカ経済の影響を大きく受けますので、就活にもアメリカ経済のウォッチは欠かせません。(朝日新聞教育コーディネーター・一色 清)

 今日取り上げるのは、総合面(1面)の「トランプ氏演説『融和』演出/施政方針/議会の協力、不透明」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。
(写真は、施政方針演説をするトランプ大統領。後方左はペンス副大統領、後方右はライアン下院議員)

予想よりマイルドな内容

 トランプ大統領の施政方針演説は、世界中から注目されていました。大統領の政策を実現するうえで、議会との関係は重要であるため、どういう内容のことを、どういう言葉や態度で話すのかに関心をもたれたわけです。いろいろなメディアの報道を見ると、「アメリカ第一主義」は変わりませんでしたが、「融和」も語り、予想されていたよりマイルドな内容や態度だったようです。トランプ大統領も、議会の協力がないと政策が実現できないことを意識したものと見られます。

大盤振る舞いで景気過熱の恐れ

 とはいえ、これまでのアメリカを変えそうな大胆な政策が山積みであることは間違いありません。当然、日本にも影響はあります。貿易では、アメリカ製品をもっと買うように求められ、日本からの輸出にはブレーキをかけられそうな懸念が消えません。安全保障でも、アメリカ軍の日本駐留経費をもっと日本が負担するように求める懸念も消えません。何より心配なのは、目先の大盤振る舞いによってアメリカ景気が過熱する恐れがあり、その反動で大きな経済ショックが来ることです。アメリカの経済ショックは、世界に及びます。とりわけつながりの強い日本のショックは大きいでしょう。

リーマン・ショックで分かった一蓮托生

 2008年9月、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザースが破綻したことをきっかけに起こった世界的恐慌をリーマン・ショックといいます。金融機関がお金のない人たちにもお金を貸して家を売るサブプライムローンが限界に来て、一挙に不良債権になったことが原因でした。株価は大暴落し、世界中で経済成長率が大きく下がり世界同時不況に陥りました。この時、日本もアメリカと並んで世界で最も大きな打撃を受けた国になりました。日本とアメリカはモノの取引だけでなく、お金やサービスの取引もとても多くなっていて、一蓮托生(いちれんたくしょう)だということがよく分かりました。
 さらに、リーマン・ショックは日本の就活も直撃しました。翌年の採用試験から多くの企業が採用数を大きく減らし、1990年代のバブル経済崩壊後の「就職氷河期」よりもひどいといわれる「超氷河期」が何年か続いたのです。アメリカの経済はみなさんにとってもひとごとではありません。
(グラフは、2014年11月15日朝日新聞朝刊に掲載された就職内定率です)

面接で話題になる可能性も

 多くの日本企業は、アメリカ経済の行方を気にしています。直接的にアメリカと取引のない企業でも、景気や物価などを通じて間接的に影響があるからです。企業が関心を持っていることは、面接などで話題になる可能性があります。「トランプ大統領の経済政策について、あなたはどう思いますか」と聞かれて、答えることはできますか。これくらいの答えは必ず用意しておきましょう。


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