2016年09月28日

ヤフー「週休3日」検討…休みと仕事を考えよう

テーマ:就活

ニュースのポイント

 IT大手のヤフーが週休3日制の導入を検討しています。人工知能(AI)を活用して、働き方を柔軟にし、生産性を高めて、新しい発想にもつなげる狙いです。休日をきちんと取れるかどうかは、充実した私生活を送るためにも、しっかり働くためにもとても大切なことです。ただ、休みにばかり目がいっていると痛い目にあいかねません。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、経済面(6面)の「ヤフー、週休3日制検討」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。

遠方からの新幹線通勤もOK

 私が朝日新聞社に入社した1980年代はまだ「週休1日」が一般的でした。国家公務員が完全週休2日になったのが1992年。この前後から、多くの会社が週休2日制を導入したといわれています。当時を考えると「週休3日」は夢のようです。

 ヤフーの週休3日制は、ITを生かして生産性を上げ、業績に影響を与えないようにすることが前提で、土日以外に1日選んで休める方式を考えています。給与のあり方など具体的な内容は今後の検討課題です。東京・紀尾井町の新オフィスのお披露目にあわせて方針を発表しました。ほかにも、今の通勤時間が2時間以上かかる社員を対象に月15万円までの新幹線通勤支援制度を導入、近くに住む人には自転車通勤を認め、自宅やカフェなど社外で仕事ができるテレワーク制度も拡充するそうです。いずれもワーク・ライフ・バランスに配慮して、住む地域や働き方の選択肢を広げる施策です。
(写真はヤフーの新本社オフィス。机をジグザグに並べ、従業員が移動するときにわざと他の人とぶつかりやすくしてコミュニケーションを取る機会を増やす試み )

ユニクロは昨年10月に導入

 「週休3日」をすでに導入している会社もあります。昨年10月に導入したのがファーストリテイリング。国内のユニクロで働く地域正社員を対象に、希望に応じて週休3日制を選べる制度で、お客が多い土日を含む週4日働き、平日に3日休む方式です。出勤日の労働時間を1日8時間から10時間にして週あたりの労働時間は40時間。週休2日の場合と同じなので1日あたりの仕事はきつくなります。

 大分県国東市の段ボールクラフト会社「アキ工作社」は2013年に導入しました。労働時間を見直して効率良く仕事をし、社員は生み出した時間を地域活動や自身のスキルアップに充てています。売り上げは維持できていて、「自分の時間がとれる」と社員の満足度も高いそうです。同社はこれを「国東時間」と名付けて提唱し、地域の商店などに広がっています。クリーニング店が定休日をなくしつつ閑散期には長期休暇をとるなど、業態や客層に合わせて効率の悪いところを見直しています。

みずほ銀は「介護休業2年」

 今日のヤフーの記事の隣には、「みずほ、介護休業2年に」という記事が載っています。みずほフィナンシャルグループが、社員がとれる介護休業の期間を1年から2年に延長し、休業中に賃金の一定割合の手当を出すことにしたというニュースです。

 志望する企業については、ふだん休みがどのくらい取れるのかに加えて、育児休業(育休)、介護休業などの制度も調べることをお勧めします。制度は整っていても取りにくい会社もあります。こうした実態はOB・OG訪問など個別に社員と話す機会に確認しましょう。ただ、企業の採用担当者と話すと「休みやワーク・ライフ・バランスのことばかり聞いてくる学生が増えた」との嘆きをよく聞きます。最初から「休み」について聞いたのではやる気を疑われます。仕事のやりがいなどをしっかり聞いた後に確認するようにしてくださいね。

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