2016年09月27日

「コミュ力」「ことばの力」は鍛えれば必ず上達する!/朝井リョウさんインタビュー

テーマ:就活

ニュースのポイント

 就活仲間の友情や葛藤を描いた映画「何者」がまもなく公開されるのに合わせて、原作者の朝井リョウさん(写真)のインタビュー記事が載りました。自身も就活を経験した朝井さんは、文章力がとても役に立ったと言い、「ことばの力」は「才能ではなく、努力すれば手に入れられる能力」と話しています。実はコミュニケーション能力(コミュ力)も同じです。いずれも就活に必須の能力ですよ。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、特集面(19面)の「就活に役立つ『ことばの力』/集団面接 文章力で乗り越えた・作家 朝井リョウさん」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。

「何者」って?

 先日、「何者」(10月15日公開予定)の試写を見ました。佐藤健さん、有村架純さん、二階堂ふみさん、菅田将暉さん、岡田将生さん、山田孝之さんと、いま大人気の若手俳優の共演でも話題です。最初は意気投合して就活をともに乗り切ろうと集まった5人でしたが、プレッシャーの中、あつれきや摩擦が生じ、緊張感が高まっていきます。ベストセラーになった小説も以前読みましたが、映画も朝井さんが描いた大学生の微妙な心情、人間関係の機微をよく表現していました。

 それぞれのツイッターでの発信内容もストーリーの大きなポイントです。みなさんも日々やっているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での発信が、実は語彙力アップにつながっているという話は「本・新聞+SNSの発信で『語彙力』」アップ!」(9月21日の「今日の朝刊」)で書きました。読んでみてください。

「国語、算数、理科、社会、就活」

 朝井さんは自分の就活を振り返り、集団面接で主語と述語が最終的にねじれる人が多かったが、文章を書き慣れていたから途中でどう結べばいいか考えられたと話しています。「同じことをしゃべっていても、話す順番が違うだけで説得力が変わったりします。語彙力や読解力には本当に感謝しますね」とも。文章力はエントリーシート(ES)や作文で生きるだけではないんですね。文章力がある人は、面接で「伝える力」も高いわけです。

 小学校時代に先生に提出する400字の日記が「ことばの力」の原点だという朝井さんは、「訓練すれば文章は絶対にうまくなる」と断言します。私はいつも学生に「ESは書き直すほど良くなる」と伝えているのも同じことです。

 朝井さんは最後に「就活は人間総合力だと思われがちですが、一つの教科のようなものだと僕は思っています。国語、算数、理科、社会、就活みたいな」と、ユニークな考え方を示しています。
 「不採用と言われると、自分を丸ごと根っこから切られちゃった感じがしますが、いろいろな能力の一つみたいに思えば、もうちょっと楽になるんじゃないでしょうか」

楽器やスポーツ、書道のように

 「ことばの力」だけではありません。コミュ力は鍛えられるというのは、ハーバード大出身のお笑い芸人パックン(パトリック・ハーランさん)=写真=です。以前、私のインタビューにこう答えてくれました。
「コミュ力は持って生まれたものではなく、鍛えられるもの。楽器やスポーツ、書道のように、毎日練習すればかならず上達します。(コミュニケーション論の講義をしている)東工大でも、最初は名前と学部くらいしか言えなくて、しかも目を見られない、フラフラして声が小さい学生が、半年たつと意見も言えるようになるし、展開・オチがある話ができるようになりました」

 ゼミなどで積極的に発言する、討議する、家族や友人と日々のニュースについて語り合う……。やり方はいろいろあります。自分の意見を持てるようにすることも大切です。

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