2016年08月18日

甲子園のベンチや応援にヒントが… 就活で問われる体験って?

テーマ:就活

ニュースのポイント

 お盆休みの間も、リオデジャネイロ五輪は日本選手のメダルラッシュで大いに盛り上がりましたね。高校野球も甲子園を舞台に日々熱い戦いが続き、今日は準々決勝です。グラウンドでの華々しい活躍の陰には、それを支えてきた人たちがいます。その一人ひとりにドラマがあります。就活で問われるのは、みなさんにもきっとあるそんな体験です。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、スポーツ面(13面)の「はま風・ラッパの音 みんなに届け」(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版)です。

普通の頑張りがドラマに

 甲子園の熱戦を伝える紙面の片隅に毎日載っている「はま風」は中心選手のプレーよりも、脇役や補欠選手、ベンチに入れなかった選手、マネジャー、アルプス席の応援団などの熱い思いや、挫折とそれを乗り越えた体験を取り上げるコラムです。
 今日は、愛知の東邦高校の「トランペットを吹く野球部マネジャー」梶浦郁乃(あやの)さん(写真)が登場しました。小中学校時代のトランペットやホルンの経験を聞いた監督からトランペットを渡されて特訓。吹奏楽部が応援に来られない試合でも吹いてきたそうです。
 この週末には、高校球児と吹奏楽部の同級生が励まし合いながら甲子園をめざす姿を描く映画「青空エール」が公開されます。映画のモデルは吹奏楽の強豪、北海道立札幌白石高校。球児を取り巻く人たちの頑張りにも、映画になるほどのドラマやストーリーがあることがわかりますね。

問われるのは「結果」より「過程」

 就活セミナー・朝日学生キャリア塾で模擬エントリーシートを書いてもらうと、「ESに書くような特別な体験は何もなくて……」という学生が多くいます。でも、企業は「特別な体験」を求めてはいません。
 野球や吹奏楽部でなくても、多くのみなさんが高校時代に部活動や委員会活動に打ち込んだ経験があると思います。いま大学でも、体育会、サークル、アルバイト、ゼミ活動など、何かに取り組んでいますよね。実は、ESや面接で企業に問われるのは、そんな普通の体験なんです。
 求められるのは結果や華々しい成果ではありません。なぜそれに取り組んだのか、どんな苦労があり、どう乗り越えたのか、どんな工夫をし、何を得てどう成長したのか。問われるのは、「結果」より「過程」です。

特別な体験はいらない

 楽天の採用担当者は「人事のホンネ」でこう言っています。
 「具体的なアクションに対してその結果うまくいったのかいかなかったのか、うまくいかなかった場合はどう対処したのかを聞いたりします。ある一日すごく頑張った人より、長期的な目標を持って努力し、様々な困難にぶつかりながら何かを良くしていったり、いい成果が得られなくても何か学んでいたり、そういうことをしてきた学生は我々の価値観と合致する感じがします」
 「特別でなくても、普通の飲食店アルバイトの経験でもいいと思います。その中で自分なりに考えながら工夫して取り組んだり、努力し続けたりしたことがあればいい。その努力の仕方を見ます」「(大学の勉強を頑張ったという経験でも)いいと思います。たとえばゼミでも10人くらいのゼミ生の組織を動かす役割、ゼミの先生以外の人と交渉する渉外の役割など様々な役割があるわけで、ゼミの中でもいろんな経験をしている人がいますよね」

 普通でもいい、一生懸命取り組んだ体験が就活でも生きます。ただ、漫然と過ごしてはいけません。今までの体験を振り返るほか、今やっていることについても、「なぜ」「どのように」を意識しながら取り組むことが大切です。

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