2016年06月07日

サントリー、大同生命…ドラマから企業を知ろう

テーマ:文化

ニュースのポイント

 NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)で、企業の創業者をモデルにした作品が続いています。企業は宣伝効果を期待できますが、就活生にとっても企業の起源や社風を知ることができるチャンスです。ドラマだけでなく、映画や企業小説もオススメです。(編集長・木之本敬介)

 今日取り上げるのは、文化面(23面)の「朝ドラ×企業家 蜜月なぜ」です。
 記事の内容は――朝ドラ「マッサン」(2014~15年)でニッカウヰスキー創業者、竹鶴政孝がモデルの主人公を演じた玉山鉄二は、同社の「アンバサダー(大使)」に就任。テレビCMでグラスを傾ける。マッサンでサントリー創業者の鳥井信治郎をモデルにした人物を演じた堤真一も同社の「ウイスキーアンバサダー」を務める。同社は「(ドラマの影響で)市場が拡大しているのは確か」と効果を認める。4月に終了した「あさが来た」のヒロインは大同生命などの創業者・広岡浅子が、現在放送中の「とと姉ちゃん」では雑誌「暮しの手帖」を創刊した大橋鎮子(しずこ)がモデル。今秋からの「べっぴんさん」は子ども服メーカー「ファミリア」創業者の坂野惇子(ばんの・あつこ)がモデルの物語だ(写真は撮影風景)。「創業者の一人、広岡浅子が広く知られ、営業活動がしやすくなったとの声もある」(大同生命)、「問い合わせや取材依頼が増えた」(ファミリア)。NHKの看板番組だけに企業には「宣伝効果」への期待も大きい。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 私は「マッサン」も「あさが来た」も今の「とと姉ちゃん」も、ドラマとして楽しんでいます。ただ、サントリーに脈々と受け継がれる鳥井信治郎の「やってみなはれ」の心意気を感じたり、大同生命はこんな時代にこんな思いで立ち上げたのだと知ったり……関係する企業の一端に触れることができるのは、実話をモデルにしたドラマならでは。「あさが来た」には、大同生命だけでなく、今の三井住友銀行のルーツとなる両替屋も登場するなど、生命保険や銀行の成り立ちを考える材料もありました。あくまでドラマですから、事実でない内容や脚色もあり深刻に見る必要はありませんが、企業研究のいいきっかけになりますよ。

 朝の忙しい時間だけに朝ドラを見る時間がない人も多いと思いますが(夜11時からBSでも再放送あり)、多くの会社員が見ています。関連業界を受ける人は、ちょっとした話題についていけるくらいには知っておきたいものです。

 企業小説にも実在の経営者や会社をモデルにしたものが多くあります。「内幕を暴く」的な内容から名誉毀損の訴訟に発展したケースもあります。有名な作品名とモデルと言われている企業名を一部紹介します。
◆「海賊とよばれた男」(百田尚樹著)……出光興産
◆「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)……日本航空
◆「不毛地帯」(同)……伊藤忠商事
◆「乱気流 小説・巨大経済新聞」(高杉良著)……日本経済新聞社
◆「青年社長」(同)……ワタミ

 これらは実在の企業や人物にフォーカスした作品ですが、池井戸潤さんの半沢直樹シリーズなど架空の企業を描いたドラマや小説も業界の内実や雰囲気を伝えてくれます。作品を楽しみながら業界研究してみてください。

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