2016年05月30日

今は「リーマン前」か…就活戦線にも影響(ニュース★あらもーど 5月23日~5月29日)

テーマ:週間ニュースまとめ

 先週はG7伊勢志摩サミット、米大統領の広島初訪問、安倍晋三首相からの消費増税再延期方針の伝達と大きなニュースが続きました。この中で、サミットで首相が言った「リーマン前」という言葉が、これからの政治の焦点として浮上しています。現状の世界経済が2008年に起きた世界的な金融危機「リーマン・ショック」直前の状況に似ている、という考え方です。他国の首脳はそこまで悲観的ではなく、消費増税の再延期のための方便ではないかといった見方も出ています。

 本当に今が「リーマン前」なのか。これから議論が盛んになると思いますが、時事的な知識としてだけでなく、企業の来年の採用意欲にも影響を与えかねない議論でもあります。3年生の皆さんは要注目ですよ。
 写真は3月14日付朝日新聞朝刊、三菱電機の全面広告を使ったバッグです。
 毎週月曜は1週間のニュースのうち、みなさんと共有したい話題をお届けする「ニュース★あらもーど」の日。火曜~金曜日の「今日の朝刊」通常版とともに、ご活用ください。(朝日新聞教育総合本部ディレクター・真下 聡)

ニュースダイジェスト

【少子化】2015年出生率1.46、2年ぶり増 人口減少幅は過去最大(5/23.Mon)

 2015年の合計特殊出生率は1.46で、前年を0.04ポイント上回った。厚生労働省が発表した人口動態統計でわかった。人口を維持するのに必要とされる2.07にはほど遠く、今後も人口減は続く見通しだ。合計特殊出生率は1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数。2005年の1.26を底に回復傾向にあるが、依然として低い水準にある。2015年に生まれた子どもは100万5656人で5年ぶりに増加したが、過去最少だった2014年から2117人の増加にとどまり、過去2番目に少ない。死亡数は129万428人で戦後最多だった。出生数から死亡数を引いた自然減は28万4772人。前年と比べた減少幅は過去最大で人口減に歯止めがかかっていない。

【国際】オーストリア大統領に「緑の党」元党首 右翼候補に辛勝 (5/23.Mon)

 オーストリア大統領選は、欧州連合(EU)との協調を訴えたリベラル派で「緑の党」元党首のアレクサンダー・ファンダーベレン氏(72)が当選を決めた。反移民政策を掲げる右翼・自由党のノルベルト・ホファー氏(45)は敗れたが、歴史的な接戦に持ち込んだことで、欧州各国の右翼・統合懐疑派を勢いづかせそうだ。得票率はファンダーベレン氏が50.35%、ホファー氏は49.65%。総投票数464万票に対して票差はわずか3万票だった。オーストリアで中道左派・社会民主党と保守・国民党の2大政党以外から大統領が誕生するのは第2次世界大戦後初めてだ。

【サミット閉幕】首相、現状は「リーマン前に似ている」 首脳間に認識の差(5/27.Fri)

 主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)は世界経済を支える金融、財政政策と構造改革の重要性をうたう首脳宣言を採択し、閉幕した。首相は会見で、複数の経済指標について「リーマン・ショック時の下落幅に匹敵する」などとして、現状が2008年のリーマン前と似ているとの認識を示し、「世界経済が危機に陥る大きなリスクに直面している。G7はその認識を共有し、強い危機感を共有した」と強調した。ただ、世界経済の先行きに関する認識には、首脳間で違いが大きく、首脳宣言では「回復は続いているが、成長は緩やかでばらつきがあり、下方リスクが高まってきている」と記しただけで、リーマン・ショックには触れなかった。

【原爆】オバマ米大統領が広島訪問、演説「核なき世界へ勇気を」 被爆者と言葉も (5/27.Fri)

 オバマ米大統領が米国の現職大統領として初めて被爆地・広島を訪れた。平和記念資料館を視察し、原爆死没者慰霊碑で献花した。演説で、戦争の悲惨さを強調し、「恐怖の論理にとらわれず、核兵器なき世界を追求する勇気を持たなければならない」と述べ、「核なき世界」を主導していく決意を改めて示した。安倍首相も演説し、「広島の人々のみならず、全ての国民が待ち望んだ歴史的な訪問を心から歓迎したい」と語った。オバマ氏は演説後、日本原水爆被害者団体協議会の坪井直・代表委員(91)に歩み寄り、握手をして言葉を交わした。さらに、広島原爆で死亡した米兵捕虜の研究や遺族との交流を続ける被爆者の森重昭さん(79)が涙を流すと、抱き寄せて背中をさすった。

【政治】首相、増税再延期伝える 「2019年10月」麻生氏らに (5/28.Sat)

 安倍首相は首相公邸で麻生太郎財務相、谷垣禎一自民党幹事長と会談し、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを延期する方針を伝えた。延期期間は2019年10月までの2年半とする考えも示した。だが反対する意見も出たため政府・与党内で調整することになった。会談には菅義偉官房長官も同席した。首相は熊本地震の発生に加え、今後は世界経済の収縮も懸念されることから、2017年4月に予定通り消費増税を実施すれば政権が掲げるデフレ脱却がさらに遠のきかねないと判断し、増税時期を先送りする考えだ。首相は今後、山口那津男公明党代表らとも会談し、増税延期に理解を求める。政府・与党内で合意が得られれば、参院選前に正式に表明する考えだ。

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