2015年09月10日

大手でもまだチャンス!複数内定者は内定式までに決断を

テーマ:就活

ニュースのポイント

 「10月1日」といえば、多くの会社が一斉に内定式を開く日ですが、今年はこの日に開けない会社もありそうです。就活スケジュールの後ろ倒しで、直前のこの時期になって内定辞退が相次ぎ、思うように採用できていない企業が多いからです。昨日も書きましたが、まだ内々定をもっていない学生にはまだまだチャンスがたくさんあるということです。一方、複数の内々定を持っている人は、内定式のハシゴなんてせず、それまでに決断しましょう。(編集長・木之本敬介)


◆ニュースのポイント
 今日取り上げるのは、社会面(39面)の「内定式=10月1日に異変/就活後ろ倒し 余波ここにも」です。
 記事の内容は――今年は内定式の開催日がばらつきそうだ。昨年までは主に、大手が4月に内定を出した後、中小企業が学生を選んだ。だが、今年は経団連が選考を大学4年の4月から8月に繰り下げるよう呼びかけたため、中小と大手の順番が逆転。内定辞退が相次いでいる。大手同士でも奪い合い、東証1部上場の物流企業では8月に半分が入社を辞退。採用担当者は、今のままでは10月1日に内定式を開けないという。法政大学が9月下旬に開いた学生企業説明会は、開催直前まで企業の参加希望が途切れず100社近く集まった。
 複数の内定を持つ学生は、内定式の「ハシゴ」も可能。複数の金融機関に内定した男子学生は「内定式前に決断して企業に伝えると思う」と話すが、「悪い評判を聞いたりして迷いが生じたら、時間かせぎにはなりますね」。10月1日にいったん内定式をやり、その後も選考を続け、複数回の内定式を行う企業もある。
(東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から)

就活アドバイス

 昨日に続き、これから採用選考をする企業はたくさんあるという話です。今年はとくに、大企業でも採用予定数を確保できていない企業が多くあります。ここまで思うような結果が得られていない人も、勝負はここから。自分から積極的に動くことがポイントです。

 すでに内々定を得ている学生も悩んでいます。一昨日、就活セミナー「朝日学生キャリア塾」に以前通ってくれていた女子学生から相談がありました。最近ようやく念願の内々定を1社得ましたが、もう1社受けたい会社があるといいます。
 「内々定した会社に他社を受けることを伝えていないのが心に引っかかっています。やはり伝えたほうがいいのでしょうか」

 内々定した会社に他社を受けることを伝えるべきかどうかは、ケースバイケースです。正直に言うのが一番いいに決まっていますが、大事な大事な内々定を失うようなことは絶対に避けなければなりません。少しでもその不安があるなら言わなくて構いません。朝日新聞教育コーディネーターの一色清は「今日の朝刊ウィークエンド」(7月31日)で、
「学生は就活の時だけはウソをついても許されると思いましょう」
と書いています。

 以前「この場で他社断って!…オワハラにはこう対処しよう!」(7月23日「今日の朝刊」)でも書きましたが、
①学生には職業選択の自由があり、内定後でも辞退できる
②多くの企業が内定承諾書や誓約書を書かせるが、法的な拘束力はない
これを覚えておいてください。内定承諾書にハンコを押しても、内定式の後でも、就活を続けて他社に入社しても法的には問題ありません。入社を約束したのにウソつきになってしまう、怒られる、親身になってくれた採用担当者に悪い……いろんなことを考えて悩むと思いますが、いずれも一時のこと。これからのあなたの人生を左右する大きな選択ですから、「自分が納得できる」会社を選ぶこと。いろんな人に相談するのもいいですが、最後は自分で決めてください。

 ただし、企業も会社の将来をかけて採用活動をしています。1人でも内定者が欠けるのは大きな痛手です。採用人数の少ない企業にとってはなおさらです。当たり前のことですが、内々定を辞退するときには、人としての誠意を尽くしてくださいね。会社から「電話でいい」と言われれば別ですが、最初から電話で済まそうなどと思わないこと。できるだけ直接会って、担当者の目をみてきちんとお詫びしましょう。突然の話なら、怒鳴られたり、罵倒されたりするかもしれませんが、それくらい耐えなければなりません。

 私が朝日新聞社の採用担当部長をしていたとき、内定式の直前に辞退した学生がいました。内々定当初から大学院進学と悩んでいることを明かされ、何度か相談に乗っていました。いろいろ話しましたが、悩みに悩んでの決断ですから最後は激励して送り出しました。
 まだ複数の内々定を抱えている人は、内定式をハシゴして先延ばしするようなことはしないこと。これからの仕事では、ときに大きな「決断」が必要です。あまりにずるずる悩み続ける学生を見ていると、「この人とは一緒に仕事はできないな」と思います。内定式は学生にとっても企業にとっても一つの節目です。この日までには決断してください。

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