ニュースのポイント
業界・企業研究、どうやっていますか？ いろんなやり方がありますが、今日は誰にでも簡単にできて、絶対に差をつけることができる「ニュースで業界・企業研究」の方法を伝授します。これから始める人にも、明日の最終面接を前にアピール度を高めたい人にも、必ず役立つオススメの方法です。（編集長・木之本敬介）
今日取り上げるのは、特集面（23面）の「朝日新聞デジタル／学ぶ楽しみ サポート」の中から、「志望業界 動向探る／for Academy ＠帝京平成大」です。
記事の内容は――大学向けの新聞記事活用サービス「朝デジ for アカデミー」は、就職活動にも活用されている。７月、帝京平成大学では現代ライフ学部経営マネージメント学科の３年生が、効果的な業界研究の方法について授業を受けた。すでに企業でのインターンシップやOB訪問は始まっておりスーツ姿の学生も。数人ごとのグループに分かれ、朝日新聞の記事データベース「聞蔵（きくぞう）Ⅱ」で探したニュースを手がかりに、関心がある業界を調べていった。会社名を入力しただけではスポーツの試合結果など多数の記事が一覧に並んでしまい、就活に役立つ情報にたどり着けない。指導役の助教が検索結果から排除するキーワード設定などのコツを教えると、情報集めがはかどり始めた。情報システム技術を学ぶグループは、就職先として考えている電子部品の製造業界の動向を調べて発表。記事を読むと、同業界は一時の低調から脱していた。学生は「朝デジで記事を読み、データベース検索を使ったら、30分ほどでかなり就活に使える情報が集まった」と感想を話した。
（東京本社発行の朝日新聞朝刊最終版から）
就活アドバイス
新聞には業界や企業の最新情報が載っています。新聞に毎日目を通していれば、自然と業界や企業のことがわかるようになってきます。そうした記事のうち、とくにみなさんの役に立ちそうなものを選んで解説しているのが、この「今日の朝刊」のコーナーです。ただ、いずれも受け身の情報収集ですよね。今日みなさんにオススメするのは、知りたい企業について自ら積極的に情報を取りにいく「調べる就活」です。
業界・企業研究では、まずは「業界地図」など市販の業界研究本を通読して興味ある分野を見つけてください。その後は、各企業のホームページや「あさがくナビ」のような就職情報サイトの企業情報を見るのが普通でしょう。ここまでは誰でもやります。差がつきませんし、企業が伝えたい情報しか入手できません。
そこで使えるのが新聞記事データベース。今日の記事に登場する「朝デジ for アカデミー」は、有料の「朝日新聞デジタル」や朝日新聞の記事データベース「聞蔵Ⅱ」（写真）を、学生のパソコンやスマホからも使えるようにした便利なシステムですが、まだ導入している大学は多くはありません。ただ「聞蔵Ⅱ」は、全国の７割以上の大学図書館や、たくさんの公立図書館に導入されており、多くのみなさんに使っていただけます。
やり方は、データベースに企業名と必要なキーワードを入れて検索する、それだけ。実に簡単ですが、効果は絶大です。まずは、志望する、あるいは興味がある企業の名前を、データベースの検索窓に打ち込んでみましょう。「トヨタ自動車」「パナソニック」「サントリー」などを検索すると、数万件の記事の見出しがヒットすると思います。これはとても読み切れませんよね。
「聞蔵Ⅱ」の場合、期間を設定せずに検索すると、1985年以降のすべての記事がヒットします。就活で大事なのは最近の情報ですから、検索する記事の期間を過去１年分に絞ってみてください。１年なら記事の本数がかなり絞られてすべてに目を通すことが可能ですし、最近の重要な動きもカバーできます。それでも、有名大企業だと数千から数百件の記事がヒットします。中には、プロスポーツのチーム名やスポーツの冠イベントなどが入っている会社もあります。排除するキーワードを設定する機能などを使ってさらに絞り込めば、たいてい数十から百数十に納まると思います。
これならなんとか、精査できそうですね。記事一覧の見出しを見て、必要な記事をピックアップして読み、大事だと思った記事はプリントアウトしておきましょう。大学３年生のみなさんにとっては、これがのちのちのESや面接前の貴重な情報源にもなります。明日が面接という４年生も、最新のトピックに重点的に目を通しておけば、志望動機ややりたい仕事のアピール度を増すことができますよ。
「朝日新聞デジタル」でも、有料会員になると過去１年分の記事についてデータベースと同じように検索することができます。あさがくナビ会員のみなさんには、卒業まで月2000円（通常3800円）とお得な「就活割」の対象です。パソコンの人は右のバナーから、スマホの人は下のリンクからお申し込みください。
