言葉マイスター ナカハラハラハラ 略歴

2015年08月26日

就活とキャッチフレーズ・その1 ~そもそも、キャッチフレーズって?

 今回からしばらく、「キャッチフレーズ」について話したいと思います。ESや面接でも「自分自身にキャッチフレーズを付けて下さい」というの、よく言われますよね。これ以外にもたとえば、

 ・あなたを色に例えると何色ですか
 ・あなたを動物にたとえると何ですか

 といった質問も、ある意味ちょっとひねった(縛りをかけた)「キャッチフレーズ」を付けさせる質問と言えます。そうやって考えると、「就活」と「キャッチフレーズ」は親和性があると言えるでしょう。ちなみに真偽のほどは分かりませんが、ちょっとネットを検索してみると、

 「内定をゲットする人の7割は自分にキャッチフレーズを付けている!」

 なんて書いてあるサイトがいくつかありました(笑)。

 そもそも、「キャッチフレーズ」とは何なのでしょう。広辞苑を引いてみます。

 「人の注意をひくように工夫した簡潔な宣伝文句。惹句(じゃっく)」

 とありました。ちなみによく似た「キャッチコピー」は「(和製語)見る人に関心を持たせる短い宣伝文句。キャッチフレーズ」とあります。ほぼイコールと言うことですね。

 ここで大事なポイントが二つあることに気づきましたか。キャッチフレーズは

 1:人の関心/注意を引く(まさに「惹きつける」)
 2:短く/簡潔な

 言葉でないといけないということです。そのためにどうやって作ればいいか……という具体的なテクニックはまだ先にして、皆さんが日常よく目にするキャッチフレーズから、このふたつのポイントを体感してもらいましょう。

 今回取り上げるのは、皆さんの就活や学生生活にも無くてはならない(であろう)、コンビニエンスストアです。こう書いただけでも、おそらく各社のCMで使われているキャッチフレーズが脳内に流れてきませんか?(笑)

 ・セブン-イレブン:「セブン-イレブンいい気分」
 →「ぶん」という韻を踏むことで心地よさを生み出しています。ちなみにこの言葉は、本家アメリカのロゴ“Thank Heaven Seven-Eleven”を意訳したものです。こちらもちゃんと韻を踏んでいますね。

 ・ローソン:「マチのほっとステーション」
 →「ホット(hot)」な場所であり「ほっとする」場所でもある。二重の意味が掛けられています。ちなみに私が学生のころは「開いてます、あなたのローソン」でした。

 ・ファミリーマート:「あなたとコンビにファミリーマート」
 →これまた掛けことば。「あなた(=お客)とコンビを組む存在」という意味と「あなたにとってコンビニエンス(convenience)=便利な存在」という意味。

 何となく「キャッチフレーズ」のキモが分かって来たでしょうか。今回は「コンビニ」という企業でしたが、次回はもっと皆さんに引きつけて「人」にまつわるキャッチフレーズを紹介しようと思います。お楽しみに。

今週のおまけ ~まだまだあるよ、キャッチフレーズ~

 コンビニはジャンルとしてまとめやすかったので、今回取り上げましたが、印象的な企業キャッチフレーズというのはまだまだありますよね。企業名は隠すので、どこのものか考えて見て下さい。

 ……多分、簡単過ぎてクイズにもならない気がする(笑)。

 ・お、ねだん以上。
 ・お口の恋人
 ・カラダにピース
 ・プライスレス

 ちなみにここに挙げたキャッチフレーズは、すべて商標登録がされています。本来、キャッチフレーズは原則として商標登録ができないものです。しかし社名などと一体となることで「固有性」が認められると可能になるとのこと。ここに挙げたキャッチフレーズがどれも、社名や商品名と同じく企業にとっての「顔」であることのあらわれと言えますね。

 皆さんも自分にとっての「顔」を作れるよう、頑張っていきましょう。

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