あきのエンジェルルーム 略歴

2014年09月11日

「子育てインターン」で働くママを疑似体験! ♡Vol.2

 いつも心にエンジェルを。

 今日はちょっとステキなインターンをしている「エンジェル企業」を紹介します。 

 会社の名前は「スリール」。フランス語で「笑顔」「ほほえみ」という意味です。この会社では、共働き家庭で育児体験するインターンの斡旋をしている会社です。

 具体的にいうと、学生を2人1組で約4カ月間、共働き家庭に派遣し、3歳から小学校3年生までの子どもの送り迎えをしたり、夕飯を食べさせたり、宿題を見たり、というインターンシップ(就業体験)をしてもらいます。同社ではそれを「ワーク・ライフインターン」と呼んでいます。つまり子育てを体験することで、将来子育てしながら働く生活を具体的にイメージしてもらうのです。
 4カ月間、同じ家庭に通い続けることで、先輩ワーママ(ワーキングマザー)とのつながりもできるし、その仕事内容や生活環境に触れ、本当に子育てにやさしいのはどういう会社なのか、どんな制度が必要なのかを学ぶこともできます。
 さらに、子どもへの苦手意識がなくなる、大学の枠を超えた仲間ができる、などメリットは他にもあります。会社の収益は、インターンを受け入れる家庭の利用料。学生は無給です。4年前に創業したのですが、すでに300人近くの学生が参加しています。9割が女子学生ですが男子学生や、社会人も参加しています。
スリール社長の堀江敦子さん  スリールを立ち上げた社長の堀江敦子さん(右写真)は29歳。大学卒業後、一度、IT企業に就職しましたが、中学時代から100人以上のベビーシッターを経験してきて、仕事、家事、育児、すべてを背負って疲弊しているママたちを見て、「母親1人で育児をしてはいけない」と確信していたことから、起業を思い立ったそうです。

 働くママは謝ってばかりです。自分の子育てを振り返ってみても、子どもの発熱で職場を早く帰らせてもらうとき上司や同僚に、保育園の迎えの時間にどうしても間に合わなかったときは先生に、約束の時間に帰れずシッターさんの終電がなくなったときはシッターさんに……。

 土日に仕事で家を空けるときは機嫌よく子守をしてもらいたいからパパにだって気を遣います。
 何より、「ママー」「ママー」としがみつく子を振り切って職場にかけつけるときの罪悪感は半端ないです。
 働くママの一番の敵は、理解のない職場の上司でも、家事を手伝わない夫でもなく、この「罪悪感」ではないでしょうか。
 
 私の場合、仕事が続けられたのは、尊敬している先輩ママの言葉があったからです。
 
「子どもには、仕事のことで『ごめんなさい』と言わないほうがいい。母親だって働くのは家庭のため、家族のためになっている。父親が『遅くまで働いてごめん』と、子どもに毎晩謝ったりしないでしょう? 謝ってばかりいると、子どもが“働くママ”を、否定的に感じちゃうよ」
子育てインターン中の学生  スリールを利用したことのあるワーママも、「子どもを預けて、仕事や、自分のリフレッシュの時間を取ることにずっと罪悪感があったけど、学生インターンの場合、学生さんの『お役に立っている』という意識ももてるし、子どもも若いお姉さんと遊べて楽しいと喜んでいる。せっかくだから良いロールモデルになろうと、仕事のモチベーションも上がった」と言います。

 堀江さんによると、実際に、この学生インターンを受け入れるようになって、積極的に勉強会に出たり、昇進試験にトライしたりして、「出世」していくママが多いそうですよ。

 働くママがいろんな人の力を借りながら、しかも、罪悪感ももたなくて済む。そんな「エンジェル」なシステムが、これからもっと増えていくといいですね。

(左写真)子育てインターン中の学生 
 子育てインターンをすることで、「バリキャリ」志向の学生が、結婚・出産に前向きになったり、大企業の一般職ばかりを狙っていた学生が、「スキルを身につけておかないと、出産後に仕事が続けられない」という現実を知って志望企業を変えたり、いろんな「変化」が起きるといいます。学生にとっても自分の将来に役立つ魅力的なシステムではないでしょうか。

 今回紹介した「スリール」以外にも、学生と子育て家庭を橋渡しするネットワークはあります。就職する前から、仕事と子育ての両立について悩んでいる人はぜひ一度、情報収集してみてくださいね。